【ニューデリー】モルディブのアブドッラ・ヤーミン政権は、『インド・ファースト政策』を表看板に掲げ、インド政府の回りを周回する高等外交を展開している。
モルディブがインドからドルニエ海上哨戒機の調達を望んでいると言う過去数日の報道に驚かされた南ブロック(陸軍作戦司令部)のトップ情報筋はタイムズ・オブ・インディア(TOI)に、「モルディブにドルニエを配備するための情報交換(LoE:letter of exchange)は実際には2016年以来ヤーミン政権によりペンディングされている」と語った。
「LoEを通じたインドのオファーをマレ(モルディブの首都)が正式に承認することが、ハンガーの建設とドルニエ配備プロセスを開始するための第一歩だったが、彼等は2年間にわたってペンディングしている」と匿名の政府高官は語った。
二面外交の一環としてマレに秋波を送る当地オフィシャル・ソースは、「ドルニエ哨戒機調達を巡る話は、インド政府の海事ヘリ進呈の申し出をていよく断る意図を隠すイチジクの葉に過ぎない」と語った。
トップ政府筋によると、ヤーミン政府は、アドゥール環礁から発進する先進軽ヘリコプター(ALH:Advanced Light Helicopter)のLoE更新を拒否しただけでなく、ラーム環礁を拠点にする他のALHのLoE更新に関するインドの事前提案にも応えていない。
最南端の環礁のひとつラームでは、中国が港の建設を計画していると言われる。TOIが2016年4月に報じたように、ラーム環礁はモルディブを通じた主要国際航路、『北緯1.5度海峡(One and a Half Degree Channel)』の入り口に位置するため、戦略的に極めて重要と見なされている。
○モルディブとの関係修復は、インド外交の試金石
【ニューデリー】モルディブ政府は、45日を経て、自ら定めた2度目のデッドラインの直前に、非常事態令の解除を決めたが、過去数ヶ月成り行きを懸念して来たものにはさしたる慰めにはならなかった。
インドは、「非常事態令の解除は、一歩ではあるが、モルジブの民主主義の回復にはさらに多くのことが為されねばならない」とのステートメントを発表した。
大部分国外に亡命中のモハマド・ナシェド元大統領に率いられる反対派は、非常事態令が解除されたのは、アブドッラ・ヤーミン大統領が、12人の反対派指導者に対する判決を棄却し、釈放を命じた2月1日の法廷判決後、法廷と国会の完全掌握を実現したからに他ならないと述べている。
ヤーミン大統領は、事態が劇的展開を見せる中で、二人の裁判官とアブドル・ガユーム元大統領を含む数百人の活動家および政治家の逮捕を命じ、非常事態を発令した。残りの裁判官は、2月1日の法廷判決を覆し、反対派指導者の釈放を棄却した。この結果、治安部隊により、裁判所と国会は封鎖され、戒厳令が敷かれた。したがって、非常事態令を解除しても自動的に元の状態は回復されない。
2月1日以来急激に悪化したインドとモルディブの関係を修復することは、至難の業と言える。中国との関係緊密化を背景にヤーミン大統領は、インド・ファースト政策の宣言からインドの懸念無視へと、過去数ヶ月間に態度を一変させた。中国との軍事交流、自由貿易協定、中国の一連のインフラ投資で、ヤーミン政権は明らかにインドや米国の如何なる干渉にも十分耐え得ることを自覚している。
【ニュースソース】
After ‘gift’ return, India calls Maldives’ bluff on Dornier
After the emergency: repairing ties with Maldives
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