【セーシェル】インドがセーシェルの離島に軍事基地を建設すると言う計画は、同国の政治家には好意的に受け入れられたが、国民からはある種の敵意をもって迎えられた。アソンプシオン島の基地は、インドが費用を負担し、両国の軍隊によって共有される。関係協定はナレンドラ・モディ首相が2015年にセーシェルを訪問した際に原則的に合意されたが、その後の進捗は遅い。
アソンプシオン島の北東1135キロに位置するマーシュ島ビクトリアを首都とするセーシェル政府は、「基地は沿岸警備隊が130万平方キロの排他的経済水域における違法漁業、麻薬密売、海賊行為を取り締まるのに役立つ」としている。目下、この遠隔の珊瑚礁には、掘っ立て小屋の郵便局と滑走路1本があるだけで、ほとんど人跡はなく、全長7キロに満たない、海抜30メートルの島は鳥の糞で覆われている。しかし、モザンビーク海峡の海運を監視する上で戦略的に重要な位置を占めている。インドはインド洋南部における自国船舶の安全を確保する上から同基地の建設に5億5000万米ドルを投資する計画だ。
ビクトリア駐在のアウサフ・サイード大使は、「アソンプシオン島は、インドだけでなく他の多くの国の国際貿易路として利用されているモザンビーク海峡に近接しており、インドとしては自国商船の安全を確保することに関心がある」と語る。インドは2003年以来、セーシェルと軍事協力協定を結んでおり、同協定の下、アソンプシオン島基地を最大30年使用することができる。しかし、2015年協定の批准は遅れており、新しい改正協定が1月27日に両国間で調印されたに過ぎない。
セーシェルのフランク・アリー司法長官は、「最初の合意に関して我々が行ったことは、訴訟を引き起こす可能性のある点を明確にすることである」と指摘する。同長官によれば、これらには、核利用や兵器の貯蔵に島を用いることの禁止が含まれる。インドは戦時にアソンプシオン島を使用することもできない。
懸念を抑制する上から、政府は機密扱いの防衛協定詳細の一部を一般に公表している。いずれにしても、このプロジェクトは依然として議論の余地があるようで、同国の首都では毎週小規模なデモが行われている。セーシェルにおけるインドのプレゼンスは敏感な問題だ。一部のものは、インド人労働者の流入により島の経済が支配されるのではないかと懸念を抱き、別のものは、外国の軍事基地建設は主権と国民の誇りを侵害すると見ている。この計画の反対派はまた、アソンプシオン島が、ユネスコの世界遺産に指定された巨大亀の世界最大の棲息地アルダブラ環礁に近接している点を指摘する。セーシェルのバリー・フォーレ外相は、「自分は、政治家やこの協力のポジティブな面に注目する人々が有利になると見ており、最終的に成功すると信じている」と語った。
【ニュースソース】
Planned Indian military base stirs Seychelles controversy
○世界は一つ:
The aim of SEAnews
◆『Ad-SEAnews広告勧誘員』募集
ご意見/配信停止
SEAnews Twitter
SEAnews Messenger
SEAnewsFacebook
SEAnewsGoogle
SEAnews eBookstore
SEAnews eBookstore(GoogleJ)
SEAnews world circulation