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2018-02-05 ArtNo.46175
◆混沌状態を呈するインド司法制度




 インド最高裁判所長官(CJI:Chief Justice of India)の職権に関する紛争において誰が正しいかに関わりなく、金曜日(12-01-18)に生じたこうした事態の影響は容易に鎮静せず、今後長期間余震が感じられることだろう。
 最高裁判所が過去数ヶ月にわたり混乱状態にあった十分な証拠があるが、問題は、このようなオープンな方式ではなく、内部的に処理された可能性があったかどうかだ。長官に次ぐ高位の裁判官J・チェラメスワール判事や、ランジャン・ゴーゴイ判事、マダン・B・ロクール判事、クリアン・ジョセフ判事は詳細を明らかにしていないが、「ミスラ長官は、司法業務の配分に関する慣例を無視し、恣意的に案件を割り当て、職権を濫用している」との認識に根差していることは明らかだ。その上、4人の判事は、「国家に重大な影響を及ぼす事案や案件は意に適った裁判官(junior judges)や判事(Benches)割り当てられた」と述べ、部外者の干渉と見なされ得る得体の知れない不吉な兆候を暗示した。
 最高裁判所長官のみが裁判官席の構成を決め、司法業務を割り当てることができると言うルールを受け入れる一方で、彼等は「ミスラ長官は、望ましくない結果を招く慣例違反を行っている」と主張し、司法制度そのものの公正さに疑問を投げかけた。
 メディアに公開された4人の裁判官が長官に宛てた手紙や、記者会見と言う方式が採用されたことには、彼等の憤懣が書かれたり語られた内容よりもはるかに深刻なことを暗示している。

○プラサド教育信託事件




 紛争の発端は、異論の多いプラサド教育信託事件と言えそうだ。同訴訟の原告は、一部の者が最高裁に影響力を行使しようとしていると主張していた。
 チェラメスワール判事を長とする二人の判事が担当した第二審の異例の判決は、担当判事の構成開示に先だって審理が行われ、司法の腐敗が告発されたばかりでなく、ミスラ長官が同審理を担当したなら、利益相反が生じることを暗示していた。
 結局、ミスラ長官が率いる5人の裁判官から成るベンチが二審の判断を覆し、最高裁長官が確かに司法界の長であり、彼一人が事件を裁定し、ベンチの構成を決定できることを確認する結果となった。

○B.H. ロヤCBI特別判事の死




 司法業務は基本的に名簿に基づいて割り当てられ、個々の訴訟案件はそれらが該当するカテゴリに基づいてベンチに割り当てられる。名簿が確定したら、最高裁長官は通常、それが遵守されていることを確認する必要がある。例外は極少数でなければならず、説得力ある理由が示されなければならない。
 これまでにそのような例外がいくつあったのかは明らかではないが、4人の裁判官は、中央捜査局(CBI:Central Bureau of Investigation)のB.H. ロヤ特別判事が、2014年にある特定のベンチに配属される前に死去した事案の調査を求める申し立てを問題視しているように見える。死亡した特別判事は所謂『ソフラブディン・シェイフのフェイク・インカウンター』案件を担当していた。同案件ではインド人民党(BJP)のアミット・シャー総裁が被告とされていたが、その後、放免された。
 政治的にセンチブな性格上、この事案を巡って提起された懸念は、如何なる疑念も差し挟む余地がないよう公明正大に処理されねばならないだろう。

○プラサド教育信託事件顛末




 ハードニュースが昨年11月24日に報じたところによると、プラサド教育信託は医科大学を運営していた。しかしインド医学評議会(MCI:Medical Council of India)は、インフラ施設の不備を理由に、当該医科大学に2017-18年と2018-19年の2年間のコース運営を禁止した。
 プラサド教育信託はMCIの禁令を覆すべくアラハバード高裁に訴えたが、高裁は同訴えを棄却した。同案件は最高裁に上訴され、A.M. カンウィルカル判事が裁判長を務める法廷で審理された。カンウィルカル判事は2017-18年度に対するMCIの裁定は維持されるが、2018-19年度については、MCIに再考を求めることができるとの判断を示した。同判決は2017年9月8日に下され、中央捜査局(CBI:Central Bureau of Investigation)の第一報告書(FIR:first information report)は9月9日に提出された。

○ソフラブディン・シェイフのフェイク・インカウンター




 ソフラブディン・シェイフのフェイク・インカウンターは、インドの刑事事件。グジャラート州警察は犯罪者でテロリストとされるソラバッディン・シャイフを2005年11月26日に殺害した。グジャラート州政府のT.S.トゥルシ選任弁護士は、その後、インド最高裁に対して、シェイフが死亡した銃撃戦は、グジャラート州警察により企てられたことを認めた。この種の遭遇はインドでは『遭遇殺人』と呼ばれる。(英語版ウィキペディア)

【ニュースソース】

Judiciary in turmoil

‘Forum hunting’: Curious, convoluted drama in Supreme Court


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