【ニューデリー】ナレンドラ・モディ首相は9月27日、財務省次官に、国民総貯蓄計画『プラダン・マントリ・ジャンダン・ユジャナ(PMJDY:Pradhan Mantri Jan-Dhan Yojana=Prime Minister Scheme for People's Wealth)』下にジャンダン口座を開設した国民に発行されるデビット・カード『RuPay』の利用を促進するよう督励した。
総理府(PMO)の声明によると、全国各州のトップ行政官との月例ビデオ会議『プロアクティブ・ガバナンス&タイムリー・インプリメンテーション(PRAGATI:Pro-Active Governance and Timely Implementation)』を主宰したモディ首相は以上の指示を行った。首相はさらに、デジタル決済を促進し、現金への依存の少ない社会の実現に向け努力を続けるよう求めた
○銀行界、デジタル支払い政策で年間380億ルピーの損失も
【ムンバイ】主に販売時点情報管理(PoS:Point of sale)マシーンを通じたオンライン・カード支払いから成るデジタル支払い方式の導入を大々的に進める政府の政策は、既に手持ち資金不足に直面するインド銀行界に年間380億ルピーの新たな出血を強いる恐れがある。
ナレンドラ・モディ政権は、昨年11月の紙幣廃止措置後、銀行界に数百万台のPoSマシーンを導入し、オンライン支払いを促進するよう求めている。デモナタイゼーション(demonetisation:旧紙幣廃止)措置後、PoS端末の据え付け台数は、2016年3月の138万台から2017年7月の264万台に倍増。銀行界は1日平均5000台のPoSマシーンを増設している。
この結果、PoS端末を通じたデビット・カードとクレジット・カードの取引額は2016年10月の5190億ルピーから、2017年7月の6850億ルピーに増加、特に2016年12月には8920億ルピーのピークが記録された。
SBI Researchは9月28日発表した報告書の中で、次のように述べている。オフアス取引(カード発行会社非加盟店での取引)の場合、PoS端末を通じたカード決済に伴う年間合計損失額は470億ルピー前後と見積もられる。これに対してオンアス取引(カード発行会社加盟店での取引)の場合のPoS端末を通じたカード決済からの年間合計純利益は僅か90億ルピー前後と見積もられる。したがって、銀行界全体で年間合計約380億ルピーの損失を被る見通しと言う。