【北京】シッキム州ドクラム(中国語名ドンラン:洞朗)地区における両国の対峙が過去最長の3週間に及ぶ中、当地の公式メディアやシンクタンクは、「インドと中国間の紛争が適切に処理されなければ、戦闘が発生する可能性がある」と指摘している。中国の専門家は、「インドが聞き入れないなら、シッキム問題を巡る行き詰まりを打開するため、中国は軍事行動を採らざるを得なくなる」と警鐘した。
上海社会科学院の胡志勇研究員は、中国国営グローバル・タイムズ(環球時報)に対し「中国は、歴史的教訓を引いてインドの説得に努め、問題を平和的に解決するための誠意を示したが、もしインドがどうしても納得しないなら、中国は最早他に選択の余地はなく軍事的手段に訴えざるを得ないだろう」と語った。胡氏によると、ナレンドラ・モディ首相は訪米した際、インドが中国を牽制できることを証明しようとし、中国を刺激した。しかしトランプは、前任者バラク・オバマとは異なる。オバマがインドを重視したのは、同じ価値観を共有したからだが、プラグマチストのトランプは、ニューデリーは北京を牽制するにはひ弱過ぎるため、有用な同盟者とは見なしていないと言う。北京在住の軍事専門家宋忠平氏も同紙に対し、「インドはしばしば、中国をライバルと称しているが、インドは中国に遙かに後れており、中国はそうは思っていない」と語った。
中国外務省の耿爽(Geng Shuang)報道官は当地で催された記者会見の席上、『中国は国境問題特別代表が2012年に中国/インド/ブータンの三国境界(the tri-junction of China, India and Bhutan)に関して結んだ合意書に違反している』と言うインドの主張を巡り、「中国が建設中の道路は、三国境界とは無関係であり、中国は2012年の合意に違反していない」と語った。
【ニューデリー】国民会議派は、目下の中印国境における緊張状態に対する姿勢を巡り、中央政府の外交政策を厳しく非難、ナレンドラ・モディ首相は何故同問題に沈黙し続けるのかと疑問を呈した。
一方、ニューデリー拠点の著名なシンクタンク、インディア・ファンデーションは、中国大使館が同組織の二人の研究員に対するビサ発給を拒んだことを理由に、中国の大学への代表団の派遣を中止した。しかしニューデリー駐在の中国大使館は、インディア・ファンデーション代表団全員に対してビサを発行したとしている。