【シンガポール】近頃、中国では、強姦や家庭内暴力から、独身女性に対する『剰女(シュンニー:leftover women)』と言った社会的烙印に至るまで、ショッキングな社会現象が目にされるようになった。それは依然として微々たるものかも知れないが、あるいは大規模な社会的激変が中国に生じつつあるのかも知れない。二、三十年前にはそんなことは思いもよらないことで、中国は長きにわたり『女性が天の半分を支える』国として称賛されてきたものだ。
このスローガンは最早遠い過去のものになったのだろうか。明らかに逆転したのは、ジュード・ハウエルが指摘するように、中国における、ますます国際化し、市場化した経済社会のジェンダー効果である。
例えば、10歳の少女がオンラインで知り合った20歳の青年により妊娠させられた話、ベトナムから中国に運ばれ、35歳の男に売り飛ばされた12歳の妊婦の話、74歳の老人に強姦され二人の子持ちになった15歳の少女の話(Sixth Tone, 2016)、それからもちろん、2013年に海南省の校長に強姦された6人の女生徒の法廷における正当な裁決を勝ち取ったアクティビストの活動を映画化し、中国全土を震撼させた2016年度制作のドキュメンタリー・フィルム『ごろつきすずめ(Hooligan Sparrow)』等々。
こうした風潮は、1954年憲法条文において男女の平等を誓い、女性に台所から出て生産的役割を担わせた中国革命の始祖達を落胆させたに違いない。(シングル・ドレス・コードのような多少の犠牲は強いられたものの、女性は男性と同等の地位を約束された。)
社会主義中国には矛盾が存在したものの、女性に対する暴力は全くの論外であり、最低な行為と見なされた。男女平等の規範はトップ・ダウンで広められ、バスケット・ボールを楽しみ電線修理から工場務めもすれば家事もする『鉄の女』のような革命モデルとして、底辺の隅々にまで浸透させられた。ところが、市場経済の時代が到来すると、半男半女の中性女子がウィンドーから脱け出し、ファッショナブルで、依然として貞淑な妻、賢母の徳を備えた西欧式女性が現れると、革命的モデル女性は脱落した。
2016年には、出産と家事に長けた期待される女性像が復権し、化粧品ブランドSK-IIの広告が登場した。同広告は、所謂『剰女(シュンニー:leftover women)』と称される27歳を過ぎても独身の中国女性の苦境にハイライトをあてており、こうした女性は、インドの姉妹同様、阻害された脱落者として選別されると言う十字架を負わされている。同広告は、様々な理由で独身生活をおくる女性、妥協しない独自の人生を歩むことを望む一方で結婚に失敗した脱落者を軽蔑する女性の十字路を表現している。
驚くべきことに、中国政府を代弁する某紙に掲載された一文(official writing)は、「台湾の蔡英文総統は極端者(急進的台湾独立派?)だ」とし、丁寧に「なぜなら彼女は独身だから」と説明を付けている。おそらくこの論評は、今日の中国と台湾の間の敵対感情から生まれたもので、筆者は中国政府を徹頭徹尾支持したかったのだろう。
周知のとおりインドには少女に結婚を迫る圧力が存在する、悲しいことに中国もだ。社会学者のフィンチャー洪理達女史は、この種の圧力が存在することを指摘、中華全国婦女聯合会(ACWF:All China Women's Federation)のウェブサイト(2011年)において、女性はバスに乗り遅れないように結婚すべきだと提唱している。曰く、「女と言うものは、年をとるほど価値を失う。だから老いて修士号や博士号などとっても、黄色くなった真珠のようなものだ。」(以下省略) アヌラーグ・ビスワナート
筆者はシンガポール在住の中国研究家で、在デリー中国研究所客員研究員。『Finding India in China』の著者。
○イロム女史、BJPマニプール政権樹立に一矢
【マニプール】国際的に著名なな人権運動家、イロム・シャルミラ(Irom Sharmila)女史は、彼女の故郷マニプール州において政権樹立を図るインド人民党(BJP)の民主的主張に疑問を呈し、「金と力による権力の強奪に過ぎない」と一蹴した。
今後1ヶ月間治療を受ける予定の当地のリハビリテーション・センターに到着したシャルミラ女史は地元英字紙ザ・ヒンドゥーに、インドの東北部に位置するマニプール州におけるBJPによる権力掌握に関して、「インド陸軍が享受する特権により既に腐食された脆弱な社会・政治的均衡を一層危殆に瀕させる」と語った。
今回わずか90票を獲得したにとどまった人権活動家は、この機会を利用して国内の世俗主義および民主主義勢力に対し、『ヒンドゥー至上主義勢力によるコミューナル・デザイン』に反対するラリーを展開するよう呼びかけた。
○イスラム教徒割り当て制導入のために全力:テランガナ州首席大臣
【ハイデラバード】テランガナ州のK.チャンドラセッカー·ラオ首席大臣は3月15日、「テランガナ州政府は、同州が提案している『イスラム教徒クオータ法(Muslims quota act)』の導入を巡り、必要なら中央政府との政治闘争もじさない」と語った。
ラオ首席大臣は同州議会上院において、「テランガナ州政府は、イスラム教徒と指定部族(ST:Scheduled Tribe)に対する保留(reservations)を定めた2法案を提案するとともに、中央政府に対し、同案件をタミールナド州における案件同様憲法第9条に含めるよう要求する」と語った。指定部族の割り当てに関してある種の法案の通過や州政府の閣議決定が必要と認められれば、そのように処理する。既存の保留上限規定(present cap on reservations)に鑑み、州政府はイスラム教徒と指定部族のための割り当てを憲法9条に含めることを提案する。ラオ氏は「しかし、イスラム教徒に関しては、関係法案を通過させる必要があり、我々は法案を立案し、実施し、デリーに行くことになる。彼等がそうしないなら、我々は中央政府と戦う。我々は決して後退しない」と語った。
それによると、割り当ては、後進階級委員会(Backward Classes Commission)報告書に従い、イスラム教徒の社会経済的背景に基づいてなされ、宗教に基づいてなされるものではない。ラオ首席大臣率いるテランガナ国家党(TRS:Telangana Rashtra Samiti)は、各少数階級(minorities:既存保留比率4%)と指定部族の保留比率を12%にすることを選挙で公約していた。
【ニュースソース】
Are Chinese women still holding up half the sky? Market takes its toll on their hard-won rights
Irom slams BJP action in Manipur
Will never contest polls again: Irom
Will move heaven and earth to implement Muslim quota: Tel CM
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