SEAnews 2017-04-03 ArtNo.45962

【ニューデリー／ラクナウ】インド人民党(BJP)の選挙公約通り、ウッタルプラデシュ州農民の商業銀行と協同組合銀行に対する未返済の借入金の返済が100％免除されるなら、そのために同州政府財務局が被る負担総額はおよそ850億ルピー、同州内総生産(GDSP:gross state domestic product)の0.67％に相当することになる。
　このことは、ウッタルプラデシュ州のGSDP伸び率が、昨年もそうだったように2016－17年度の全国平均近くに達すると言う見通しや、近く見直される同年度の予算も、全面的な影響を被ることになることを意味する。
○農業ローン返済免除で、不良貸し付け問題悪化も：アナリスト

【ムンバイ】インド人民党(BJP:Bharatiya Janata Party)がウッタルプラデシュ州議会選挙に勝利したことに伴う農業ローンの返済免除は、銀行、取り分け公共部門銀行の不良貸し付け問題を一層悪化させるものと見られる。
　このほど結果が明らかになったウッタルプラデシュ州議会選挙に先だって、BJPは、選挙に勝利した暁には、同州の農民のために農業ローンの返済を免除することを公約していた。
　証券会社コタック・インスティテューショナル・エクイティー(KIE)社のアナリストらは、「ヒンドスタン・ベルト(Indo-Gangetic belt)に対する高いエクスポージャからパンジャブ・ナショナル・バンク(PNG)が受ける打撃は大きく、そのビジネスのスケールからしてステート・バンク・オブ・インディア(SBI)の受ける打撃もそれに劣らないだろう」と見通した。銀行界の同部門に対するエクスポージャは高く、既に、低い自己資本、じり貧状態に陥った信用の伸び、高い不良貸し付けと言った三重苦から抜け出すために、もだえ苦しんでいる状況にある。
　KIE社は3月14日付けレポートの中で、「全国各地の州政府が今後発表するものと予想されるローン返済免除スキームにより、一部の銀行は不良貸し付けの増大に直面するだろう」と見通すとともに、各州のパフォーマンスは一様でないため、返済免除がもたらす結果を現状で予測するのは不可能としている。またウッタルプラデシュ州とパンジャブ州は最も注目すべき州と指摘、なぜなら両州は銀行ローン全体の約10％のシェアを占めており、農業部門が主体を成している。また各行の返済期限を過ぎた未返済貸し付けは貸し付け総額の3～10％に達していると言う。
　インド最大の銀行、ステート・バンク・オブ・インディアのアルンドハチ・バッタチャリヤ会長は3月15日、農業ローンの返済免除計画に憂慮を表明、「その種の懐柔策は、債務者の信用崩壊を生じさせ、将来にわたって一層の返済免除が行われることへの期待を高めることになる」と警鐘した。
【ニュースソース】

Uttar Pradesh elections 2017: PM Narendra Modi’s promise on loan waiver may imperil the state’s fiscal path

Loan waivers negative for banks, MFIs: Analysts

Bank NPAs crisis set to increase if UP farm loan waiver order is passed by next BJP government: Kotak

Farm loan waivers upset credit discipline: Arundhati Bhattacharya

No proposal on Uttar Pradesh farm loan waiver yet, says SBI Chairman Arundhati Bhattacharya

○世界は一つ：
The aim of SEAnews

The aim of SEAnews、SEAnewsの新コンセプト、国境のない一つの世界を目指します。

◆『Ad-SEAnews広告勧誘員』募集

ご意見／配信停止

SEAnews Messenger

SEAnewsFacebook

SEAnewsGoogle

SEAnews eBookstore

SEAnews eBookstore(GoogleJ)

SEAnews world circulation