【ハイデラバード】中央銀行、インド準備銀行(RBI:Reserve Bank of India)の元総裁、ドゥヴリ・スバラオ氏は、デモナタイゼーション(demonetisation:旧紙幣廃止)は、破壊的創造の首魁たるブラック・マネーの一掃を目指す創造的破壊であると形容した。
当地で木曜(1月5日)に開催された『分散コンピューティング&ネットワーキング国際会議(International Conference on Distributed Computing and Networking)』で講演したスバラオ氏は、「流通する通貨の86%をデモナタイズ(廃棄)する11月8日の措置は、疑いなく1991年経済改革後のインドにおける最も破壊的な政策刷新だ」と語った。スバラオ氏は、「デモナタイゼーションの費用効果には異論が多い」とするとともに、「それは、支払いのデジタル化等の一連の革新を生起させる波乱を生じさせる」と指摘した。
RBIのウルジットR.パテル総裁は、公共会計委員会(PAC:Public Accounts Committee)の会議の席上、政府のデモナタイゼーション措置とその通貨政策に対する影響に触れ、PAC委員らに、「インドは、キャッシュレス経済を実現するためのインフラストラクチャーの準備がまだできていない」と指摘、RBIが、支払いの電子化に関わる取引コストを引き下げる方法を検討していることを明らかにした。