【バーゼル/ニューデリー】国際決済銀行(BIS:Bank for International Settlements)によると、インドは主要経済体の中では、金融危機に対する脆弱性が比較的軽微だが、隣国の中国はより大きなリスクに晒されている。
BISが40以上の経済体のデータを集計したところ、今年第1四半期のインドの国内総生産(GDP)に対する総与信のギャップ(credit-to-GDP gap)は、最も小幅なものの一つに数えられる。この種のギャップは、差し迫った金融危機の信頼できる早期警戒指標と目され、金融システム内の過剰な信用の蓄積を示している。BISのデータによると、2016年第1四半期の同ギャップは-2.9で、新興経済体BRICグループの中でも最低となっている。2015年12月期四半期のそれは-3.0だった。
中国の2016年1-3月期の同ギャップは、同国銀行システムのリスクの高まりを反映して、前四半期の28.4から30.1にジャンプした。ブラジルとロシアの2016年第1四半期の同ギャップは、各4.6と3.7だった。 ○経常収支赤字、GDPの0.1%に大幅に縮小
【ニューデリー】インドの2017会計年度第1四半期の経常収支赤字(CAD:current account deficit)は、サービス収入と海外からの送金の減少にも関わらず、主に商品貿易赤字90億米ドル以上の縮小に助けられ、前年同期の61億米ドル/国内総生産(GDP)の1.2%から3億米ドル/GDPの0.1%に、大幅な縮小を見た。
インド準備銀行(RBI:Reserve Bank of India)発表のデータによれば、外国直接投資流入額は、前年同期の100億米ドル、そして前期の88億米ドルから41億米ドルに減少したものの、銀行資本流入は前期のマイナス90億米ドルからプラス・マイナスほぼゼロに挽回したことも、2017会計年度第1四半期の国際収支の黒字に貢献した。 ○公共企業の3130億ルピー起債許可、インフラ投資加速