【ニューデリー】インド準備銀行(RBI:Reserve Bank of India)および財務省を含む管制組織の代表から成る『早期警戒グループ(EWG:Early Warning Group)』が「状況がさらに悪化すれば下支え」する必要を指摘する中、世界的な神経過敏症と株価の急落は、インド政府にも懸念を生じさせ始めた。
エコノミック・タイムズが内情に通じたオフィシャルの言として報じたところによると、中国経済危機の一層の深刻化と予想される米国の金利引き上げの影響に対する当局の対応を検討するため今週初に会合したEWGは、ルピーを弱体化し、経済の復調を阻害するような資本の逃避が生じた際に実行する諸施策を検討する一方、向こう数日状況を注視する方針を決めた。
○市場の乱高下は懸念に及ばない:インド中銀総裁
【アンカラ】インドや他の国際市場が、不透明な米国の利上げの動きに戦々恐々とする中、インド準備銀行(RBI:Reserve Bank of India)のラグラム・ラジャン総裁は、「市場というものは本来不安定なもので、一時的であり、懸念には及ばない」と語った。
ラジャン総裁はまた「成長のモーメンタムは、その国の経済政策全体により決まり、金融は、成長の潤滑油にすぎない」と指摘した。
B20(G20諸国のビジネスリーダーの非公式組織)総会で講演したラジャン総裁は、世界経済が直面する問題に触れ、高貯蓄低消費、生産性の低下、投資の減退を指摘するとともに、解決策について、「我々は市場の揮発性を恐れてはならないと言うことだ」と語った。また米国の不透明な利上げの動きに関しては、「金融政策を正常に戻すのは、将来の市場の揮発性に対する懸念を取り除くことにつながる」と指摘した。
○インド中銀前総裁、金利引き下げ提唱
【ニューデリー】インド準備銀行(RBI:Reserve Bank of India)のC.ランガラージャン前総裁は、金利引き下げの側に立ち、「インドには金利引き下げの余地があり、インドは如何なる世界的な動揺にも立ち向かうより良いポジションを得られる」と語った。
前統一進歩連合(UPA:United Progressive Alliance)政権時代に首相経済諮問委員会(PMEAC:Prime Minister's Economic Advisory Council)の議長を務めたランガラージャン前総裁は、「現在、消費者物価指数(CPI)ベースのインフレ率は4%に達せず、目標インフレ率を下回っている」と指摘、個人的見解と断った上で、「世界経済に何らかの激変が生じない限り、次回の政策金利見直しに際して、金利が引き下げられるものと予想される」と語った。