【ニューデリー】インドは、フランス製戦闘機ラファールが3年前の商業評価でユーロファイター・タイフーンを打破した際の当初設定価格を維持しない限り、中型多目的戦闘機(MMRCA:medium multi-role combat aircraft)126機を購入する総額200億米ドルMMRCAプロジェクト契約に調印することはない。
某トップ政府筋は、「ダッソー社は、当初設定した価格を維持せねばならない。最低落札価格が変更されるなら、如何なる政府の下であろうと、インドがこの種の大型プロジェクト交渉を妥結させることはできない。フランスが政治的圧力を行使したにしろ、それは交渉決裂の要因になるだろう」と指摘した。
一方、ドイツのマイケル·シュタイナー駐印大使は、欧州航空防衛宇宙会社(EADS:European Aeronautic Defence and Space)は、ユーロファイターをインドに納入する提案書を提出する準備ができていると語った。
○スコルペヌ潜水艦用魚雷の供給停頓は地元産業参入の機会?
【ニューデリー】インド初のスコルペヌ潜水艦の竣工式が4月6日催された。しかし国防省が、戦闘装備の要となるブラック・シャーク魚雷の納入業者、イタリア企業Whitehead Alenia Sistemi Subacquel(WASS)を取引禁止処分にしたことから、今後実戦配備される合計6隻のスコルペヌ潜水艦は、一体どうして戦闘任務を遂行するのかと言う難問にインド海軍は直面している。
WASSは、国防産業大手Finmeccanicaの子会社。国防省はFinmeccanicaの別の子会社AgustaWestlandがインド空軍に要人(VVIP)輸送用AW-101ヘリ12機を納入する5億5600万ユーロの契約を巡り贈賄を行った廉で、Finmeccanicaとの取引を全面禁止した。これにより、WASS社のスコルペヌ潜水艦6隻に対する約3億ユーロのブラック・シャーク大型魚雷96基の納入契約も実行不能になった。