【スリナガル/ニューデリー】インド・パキスタンそしてヒンドゥー・ムスリムは複合した1つの問題である。三者(インド/パキスタン/カシミール)の間に存在する1つの象徴的関係が時折顕在化するが、政策次元では、生々しい現実を目にすることに対する嫌悪が存在する。
パキスタンのニューデリー駐在アブドゥル・バシト高等弁務官がカシミール分離運動指導者らと密会していたことが露見し、インドとパキスタンの外務次官会議はキャンセルされた。二国間関係の冷え込みは、カトマンズにまで波及したが、これはカシミール問題がインドとパキスタンの二国間関係に陰影を投じた数多い事例の一つに過ぎない。このクリティカル・トライアングルが解決されることなく、南アジア地域協力機構(SAARC:South Asian Association for Regional Cooperation)の目標は実現し得るだろうか。
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これまでのところ、選挙キャンペーンにおける民族主義的修辞は影を潜めている。民族奉仕団(RSS:Rashtriya Swayamsevak Sangh)のシンクタンクは憲法370条問題を、同州に対する同条項適応除外の方策を、研究しているが、インド人民党(BJP)の選挙キャンペーンに同問題は含まれていない。この種の発火薬は、回教票が機能せぬジャム州における最終段階の選挙戦のためにとってあるのだろうか。
仮にBJPが44議席を獲得できないなら、(元首席大臣の)ムフティ・モハマド・サイード人民民主党(PDP:Peoples Democratic Party)党首がフロント・ランナーに成る可能性がある。しかしPDPが過半数議席を握ることはあり得ない。その時、ムフティ氏は誰を連立のパートナーに選ぶだろうか。近い将来権力を握る見込みのない国民会議派は決して魅力的パートナーではない。オマル・アブドラ氏(現首席大臣)が率いるジャム・カシミール民族協議会(NC:National Conference)は一層魅力がない。
そこで、ムフティ氏とモディ氏の新たな政治的関係があるいは開かれるかも知れない。その際は、この一文の最初に取り上げたクリティカル・トライアングルが両氏により熟慮されるにちがいない。
【ニュースソース】
Kashmir outcome may provide Mufti, Modi with new opening
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