[書評:キリスト教の起源]キリスト教と仏教の教義には本質的な違いがあります。最も大きな相違は『いのち(生命)』に対する態度でしょう。 キリスト教はより大きな、より多面的な、より豊満な『いのち』の概念に基づいて『死』と言う問題に対峙し、『復活』を通じて個人の死(生老病死)を止揚します。これに対して仏教は、肉体的生命の否定を通じて、生老病死の問題を処理し、『空と虚』の理を説く傾向が見られます。二つの宗教の間に共通するものがあるとしても、二つの宗教が融合することはあり得ません。
[返信]
イエスがヨハネ福音書において説いている再生(born-again)や復活(resurrection)の教え、あるいはパウロが説く新生(new birth)の概念は、この世の全てが空であると達観した上で目に見えるもの、耳に聞こえるものは、妙有であり、実相を備えているとする諸法実相や禅宗で説かれる再活現成の教えに通じるものがあります。トマスがインドにもたらしたイエスの教えが、龍樹の中論や、その後、達磨が中国に伝えた禅宗として結実したのかもしれません。
仏教自体、いわゆる自力作善の禅宗、他力本願の浄土宗、これら両派を激しく批判する法華宗など、様々で、キリスト教、仏教、イスラム教、その他の宗教が一つに融合する必要はありません。
最近、日本では、法華宗と浄土宗の和尚がラジオ番組の共同司会者を務め、聴取者から寄せられる悩みに回答しており、この法華宗の和尚は禅会を主催し、浄土宗の和尚は、キリスト教文化に深い造詣を有しています。
ですから、プロテスタント教会の牧師、カトリック教会の神父、イスラム教のウラマーがラジオやテレビ番組の共同司会者を務める時代が遠からずやって来るかも知れません。
村上厚
ご意見
広告スペース特価セール
≪キリスト教の起源≫無料ダウンロードリンク
読者の声
Trend
SEAnews World Circulation