SEAnews 2011-03-29 ArtNo.44513

【ニューデリー】Pranab Mukherjee蔵相は22日、商品サービス税(GST:goods and services tax)を導入するための憲法修正案(Constitution Amendment Bill)を、国会下院に上程した。
デカン・ヘラルド、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ザ・ヒンドゥー、ビジネス・スタンダード、ファイナンシャル・エクスプレスが3月22／23日伝えたところによると、この日上程された憲法修正案は中央政府と州政府にGSTを徴収する権限を付与する。
娯楽税(entertainment tax:地方政府が徴収するものを除く)、贅沢税(luxury tax)、宝くじ／賭博税(taxes on lottery, betting and gambling)、広告税(tax on advertisements)、州政府が徴収する付加価値税(VAT:value-added tax)、販売税(sales tax)、追加料金(surcharges levied by States)、その他の地方税(cesses)等を包含したGSTは、間接税制度の根幹を成すが、現行法の下、中央政府は製造過程以外で消費税(excise duty)を徴収することを認められておらず、州政府はサービス税の徴収を認められていない。このため中央政府と州政府に同時にGSTを徴収する権限を付与する憲法の改正が先ず必要と言う。
GSTは、重複する既存の間接税制を合理化し、徴税基盤を拡大、中央／地方政府に管理される市場を共通化し、商品およびサービス会社の平均税負担率を軽減、生産コストを引き下げ、輸出競争力を強化するメリットがあるとされる。
しかし原油、ディーゼル油、ガソリン、航空タービン燃料、天然ガス、個人消費用アルコールは、GSTの課税対象から除外される。その反面、印刷媒体はGSTの課税対象に含まれる。設立が予定されるGST委員会(GSTC:Goods and Service Tax Council)は、GST制度に含まれる、あるいは含まれない品目として、特に明記されたこれらの品目に関しては、如何なる提案も行うができないと言う。
○グジャラート州、GST導入見合わせ
【ガンディナガール】グジャラート州政府は25日、商品サービス税(GST:goods and services tax)を導入する準備はまだできていないとの立場を表明した。
エコノミック・タイムズが3月25日報じたところによると、グジャラート州政府のSaurabh Patel工業部長はこの日催された州議会の席上、「GST制度は州政府の徴税権を奪うものであり、州財政に3000クロー(US$6.67億)以上の歳入損失をもたらす」とし、同州は現状ではGSTを導入する考えのないことを明らかにした。
同氏によると、これは決してインド人民党(BJP)が政権を握るグジャラート州に限ったものではなく、ドラビダ進歩同盟(DMK:Dravida Munetra Kazhagham)が政権を握るタミールナド州のM Karunanidhi首席大臣もGST導入に反対していると言う。
○予算案国会通過、ヘルスケア課税は見合わせ
【ニューデリー】国会下院は22日、新年度予算案を通過した。これに先だって、Pranab Mukherjee蔵相は、異論の多い、エアコン付き、25床以上の病院における医療検査や診療サービスに対する5％の課税案を取り下げるとともに、既製服、パーソナル・コンピューター(PC)、プリンター、携帯電話、自動車部品に対する課税や配当税に関する提案に修正を加えた。
エコノミック・タイムズ、デカン・ヘラルド、ファイナンシャル・エクスプレス、ザ・ヒンドゥー、ヒンドゥー・ビジネス・ラインが3月22／23日伝えたところによると、野党第一党のインド人民党(BJP)は、議場を退出、採決を棄権した。蔵相は、「ヘルスケアに対する課税は議場の内と外で不評を買ったが、単に歳入の増加を目指したものではなく、商品サービス税(GST:goods and services tax)導入の布石である。しかしGSTが導入されるまでの間、病院におけるサービスや医療検査に対する課税は見合わせる」と語った。
5州における州議会選挙を前に、中間層の支持を確保する狙いもあって、蔵相は、この他にも、小規模ブランド衣料品に対する消費税免除を含む複数の税制優遇措置を追加した。