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2011-03-22 ArtNo.44501
◆インド業界、震災の波紋に注目
【ニューデリー】日本における地震と津波の被害は、すでに高騰していた国際商品相場に波乱を生じさせるとともに、インド経済にも波紋を生じさせている。太陽の昇る国で発生した大災害はインド産業界の主要部門に吉凶相反する影響をもたらすものと見られる。
ファイナンシャル・エクスプレスが3月18日伝えたところによると、中東、北アフリカの政情不安に引き続く想像を絶する規模の日本の復興計画は、原油価格をいやが上にも上昇させる。しかし当面は、カルナタカ州やジャールカンド州からの鉄鉱石輸出は国際価格の下降に伴うマージンの縮小に直面しそうだ。国営鉱山貿易会社National Mineral Development Corporation (NMDC)はその影響を受けるものと見られる。インドの海産物輸出業者は、第3の輸出市場の崩壊に深刻な打撃を受けている。ケララ州やその他の地域の天然ゴム生産農民も国際価格下降の痛みを分かち合うことになる。
○少なからぬ欧米企業が発注先を日本からインドに転換
【ニューデリー】欧州や米国の企業が、これまで日本から購入していた製品の輸入先の転換を強いられる中、インドの輸出業者が金属、化学品、染料、繊維等の基本財や中間財の引き合いを得ている。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが3月19日報じたところによると、欧米の輸入業者は、日本からの供給が途絶えることを懸念しており、「緊急を要するため、価格は問題ではない」としている。
消息筋によると、親会社が震災の被害にあった日本企業が、インドの子会社に製品の発送を指示するケースも予想され、取り分け自動車、電気、電子等の産業部門は暫くの間、輸入代替地の恩恵を享受できそうだ。一部の専門家は、インド企業が国際貿易における日本企業の穴を埋められるよう、インド政府が世界各国の大使館を通じ、情報収集を行うべきだと提言している。
○日本の対インド投資に影響:首相諮問委員会委員長
【ムンバイ】首相経済諮問委員会(PMEAC:Prime Minister's Economic Advisory Council)のC Rangarajan委員長は15日、「日本の被災はインドへの投資ルートや貿易に影響を及ぼすが、この種の影響はどちらかと言えば間接的なもの」と指摘した。
エコノミック・タイムズが3月15日報じたところによると、インドにおける日本投資はある程度影響を受ける。なぜなら日本国内における投資需要が急増、国外に投資するゆとりは極めて限られたものになるからだ。これは一つの警告信号と言えるが、予想される影響は単に投資ルートの問題だ。貿易面についても、インドの日本向け輸出需要が多少軟化する可能性があると言う。
ビジネス・スタンダードが15日伝えたところでは、日本からの輸入は、2010-11年度上半期の総輸入額の僅か2.4%を占めるに過ぎない。対日輸入の大きな部分は自動車部品で占められている。在印日系企業の親会社からの輸入は影響を受けるものと見られる。野村證券によれば、日産、トヨタ、ホンダは深刻な影響を受けており、これらの企業の日本工場は4月末までに再稼働する見通しだ。トヨタはカルナタカ州Bangaloreにおける第2工場の開所式を延期した。しかしインド国内市場向けEtios Sedanの生産は影響を受けないと言う。
エコノミック・タイムズが16日伝えたところでは、デリー輸出業者協会(DEA:Delhi Exporters Association)のS P Agarwal会頭は、広島の繊維製品バイヤーが、出荷を少なくとも向こう1週間停止するよう求めて来たと語った。同氏によると、一部の輸出業者はバイヤーとの連絡さえ取れなくなっている。日本の状況が把握できず、今後輸出を継続できるかどうか定かでないと言う。
とは言え、インドの2009-10年度対日輸出は37億米ドルと、インドの輸出総額1750億米ドルの2%を占めるに過ぎない。このため影響は限られていると言う。
○日本向け援助物資に税制優遇適応要請
【ニューデリー】商工省は輸出業者から提案された日本向け援助物資に対する税制優遇措置の検討を大蔵省に求めた。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが3月19日伝えたところによると、インド輸出組織連盟(FIEO:Federation of Indian Export Organisations)のRamu S. Deora会頭は、日本に援助物資をおくる輸出業者は、所得税法35AC条項(Section 35AC of the I-T Act)に基づき所得税と物品税を免除されるべきであるとする要望書を、首相、商工相、蔵相に提出した。
○インド人5000人が離日
【ニューデリー】日本におけるインド人社会2万5000人余の内5000人近くが、先日発生した大地震後、すでに日本を離れたものと見られる。
ビジネス・スタンダードが3月18日報じたところによると、オフィシャル・ソースは17日以上の消息を語った。それによると、東京以外の各地の空港も利用されるため、正確な数字は明らかでないが、すでに日本を離れたインド人の数は4000~5000人と見られる。事態は急速に変化しており今後24時間乃至48時間に何が生じるか誰も予測できない。日本のインド人社会は関東と関西に集中している。エア・インディアはデイリー・フライトのキャパシティーを拡張、離日を希望するインド人の需要に応じている。
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