SEAnews 2011-03-05 ArtNo.44477

【ニューデリー】最高裁は3日、刑事事件の被告P J Thomas氏(60)を中央監視委員会(CVC:Central Vigilance Commission)総監に指名したManmohan Singh首相に率いられる委員会の決定は違法と判定した。
デカン・ヘラルドが3月3日報じたところによると、最高裁は、人事対象者の人格的適正を無視したCVC総監人事は、政府組織の高潔さに疑念を生じさせるとし、CVC人事は司法審査の対象にならないとするThomas氏および政府の主張を退けた。
○最高裁の裁定を尊重：首相
【ニューデリー】Manmohan Singh首相は3日、P.J. Thomas氏を中央監視委員会(CVC:Central Vigilance Commission)総監に指名した人事に対する最高裁の裁定を尊重すると述べるとともに、同問題に関して国会でそれ自身の考えを表明する方針を明らかにした。
デカン・ヘラルドが3月3日伝えたところによると、最高裁はこの日、CVC人事に関するシン首相、P. Chidambaram内相、野党指導者Sushma Swaraj氏(BJP国会議員)から成るハイパワー委員会の決定を厳しく非難した。
Polayil Joseph Thomas氏は1973年に行政サービス(IAS:Indian Administrative Service)オフィサーとして任官、2010年9月にシン首相が座長を務めるハイパワー委員会により第14代CVC総監に指名された。その際、同委員会のメンバーSushma Swaraj氏は、トーマス氏が、ケララ州政府に2000万ルピー(US$44万)以上の損害を被らせたパームオレイン輸入詐欺事件に関与した廉で訴えられている問題を提起、異議を申し立てていた。
○野党、内相辞任要求
【ニューデリー】野党陣営は、中央監視委員会(CVC:Central Vigilance Commission)総監人事を巡る最高裁の判決は、汚職廃絶運動の勝利であり、統一進歩連合(UPA:United Progressive Alliance)政権に大打撃を与えたと歓呼した。
デカン・ヘラルドが3月3日報じたところによると、野党インド人民党(BJP:Bharatiya Janata Party)のMurli Manohar Joshi議員は「P. Chidambaram内相は道義的に辞任すべきである」と語った。
○最高裁は政府ではなく制度の欠陥を指摘：法相
【ニューデリー】M Veerappa Moily法相は、中央監視委員会(CVC:Central Vigilance Commission)総監人事を巡る最高裁の判決は、政府の組織上の欠陥を指摘したもので、野党が主張するような政府の資質を問うたものではないとコメントした。
デカン・ヘラルドが3月3日報じたところによると、Moily法相はPTI通信に対して以上の考えを語った。それによると、欠陥は組織にあるのであって、首相／内相／野党指導者3人から成るハイパワー委員会や首相に欠陥がある訳ではない。判決は行政命令に対する見直しであり、政府は同判決により拘束される。しかし野党が言うように『判決は政府に平手打ちを加えた』ものではないと言う。