2011-02-24 ArtNo.44460
◆Sバンド・トランスポンダー賃貸契約破棄を閣議決定
【ニューデリー】インド政府は、17日の閣議で、インド宇宙研究機構(ISRO:Indian Space Research Organisation)の商業部門子会社Antrix Corporationとカルナタカ州Bangalore拠点の民間企業Devas Multimediaが結んだ通信衛星2基(未発射)のトランスポンダー・リース契約を破棄する方針を決めた。
デカン・ヘラルド、ファイナンシャル・エクスプレス、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ビジネス・スタンダードが2月17/18日伝えたところによると、ISRO子会社によるSバンド・トランスポンダー・リース問題は、第2世代(2G)移動体通信周波数域割り当てを通じ国庫に17万6000クロー(US$391.07億)の歳入損失を被らせたとの非難に直面する統一進歩連合(UPA:United Progressive Alliance)政権に、追い打ちをかける形になった。セキュリティー問題担当閣僚委員会(CCS:Cabinet Committee on Security)はこの日の会議において、Sバンド・トランスポンダーは戦略的もしくは、社会的用途にのみ使用すべきものであり、Antrixを含む如何なる組織もトランスポンダーをリースすることはできないとの点で意見の一致を見た。これはSバンド・トランスポンダーの貸し出しを認めた当初の政策からの転換と言える。
リース契約の下、Devas Multimediaは、12年間に1350クロー(US$2.999億)を支払うことになっていたが、野党陣営は同契約により国庫は20万クロー(US$444.4億)の損失を被ることになると、政府に集中砲火を浴びせた。
閣議後記者会見したVeerappa Moily法相は、契約条文等を子細に検討した後、契約を解除できるとの結論に達したと語った。
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