SEAnews 2011-02-12 ArtNo.44440

【ニューデリー】農業部門の好調とサービス部門の復調に支えられ、今会計年度(2010-11)の国内総生産(GDP)成長率は、昨年の８％、一昨年の６．７％を上回る８．６％の成長が見込まれる。
ザ・ヒンドゥー、ビジネス・スタンダード、ファイナンシャル・エクスプレス、ヒンドゥー・ビジネスラインが２月８日報じたところによると、インド政府は７日、中央統計局(CSO:Central Statistical Organisation)の以上の見通しを発表した。CSOの今会計年度GDP成長見通しは、中央銀行Reserve Bank of India (RBI)がこれ以前に発表した成長見通しを上回ったが、大蔵省の予測値上限には達せず、また下半期の成長には上半期に比べ減速傾向が見られる。
農林水産業の成長率は、干ばつの影響を受けた昨年(2009-10)の０．４％から５．４％に回復する見通しだ。
製造業の成長率は昨年と同レベルの８．８％で、鉱業採石業は６．２％(6.9%)、また電力部門は５．１％(6.4%)と、前年の伸び(括弧内の数字)を下回ったが、建設部門は８．０％(7.0%)、貿易／ホテル／運輸／通信部門は１１．０％(9.7%)、金融／保険／不動産／ビジネス・サービス部門は１０．６％(9.2%)と、サービス部門は全般に顕著な復調が見込まれている。しかし地域共同体／社会／個人サービス部門だけは５．７％(11.8%)と、前年に比べ顕著な鈍化が予想されている。
Pranab Mukherjee蔵相はこの日記者会見し、「インフレの高進や貿易不均衡等の問題が存在するにも関わらず、８．６％のGDP成長が見込めると言うCSOの予測は満足できる。今後はインフレと貿易不均衡問題に取り組んで行く」とコメントした。
同相によると今年第２四半期(2010/7-9)の経常収支赤字は、前年同期の９２億米ドルから１５８億米ドルに７２％拡大した。資本収支を除外した経常収支赤字は、GDPの２．９％を占めた。
要素費用(factor cost:生産者が受け取る価格=消費者の支払う市場価格-間接税=GNP-間接税)から見たＧＤＰは今年上半期に８．９％の成長を遂げたが、CSOの予測は第４四半期のGDP成長が８％に鈍化することを暗示している。特に製造業は、第１四半期の１３％、第２四半期の９．８％から大幅な鈍化が見込まれている。
エコノミストらは金利上昇に伴う民間消費と投資の減退で、第４半期に成長の一層の鈍化を予想している。製造業の成長鈍化で、産業界は政府に、新年度予算案の景気刺激策を維持するよう圧力を強めるものと見られる。政府は今月２８日に新年度予算案を国会に上程する。
○国民所得、名目１７．３％アップ：CSO
【ニューデリー】インドの今年(2010-11)の名目価格(current prices)で見た国民１人当たりの所得は５万４５２７ルピー(US$1212)と、昨年(2009-10)の４万６４９２ルピー(US$1033)に比べ１７．３％の成長が見込まれる。しかし実質価格(2004-05年価格)をベースにした国民１人当たりの所得は３万６００３ルピーと、前年の３万３７３１ルピーに比べ６．７％の伸びにとどまる。
デカン・ヘラルド、ザ・ヒンドゥー、ビジネス・スタンダード、ファイナンシャル・エクスプレス、ヒンドゥー・ビジネスラインが２月７／８日伝えたところでは、中央統計局(CSO:Central Statistical Organisation)は７日以上の見通しを発表した。インドの名目国内総生産は７２５万６５７１クローと、前年の６１３万３２３０クローに比べ１８．３％成長が見込まれるが、これも実質価格では８．６％の伸びとなる。
インドの人口は２００９－１０年の１１億７０００万人から１１億８６００万人に増加が見込まれる。
○昨年発表の新規投資１７６７億米ドル：ProjectsToday
【ニューデリー】地元企業と外国企業はカレンダーイヤー２０１０年に９９１９件、総額７９万５１４４クロー(US$1766.81億)の新規投資プロジェクトを発表した。
デカン・ヘラルドが２月６日、投資調査会社『ProjectsToday』の発表を引用し報じたところでは、この内約５７％が民間企業で占められた。ちなみにカレンダーイヤー２００９年に発表された新規投資プロジェクトは９３４４件、総額６２万６１１９クロー(US$1391.24億)だった。
○人口増加率１６％に鈍化：国勢調査長官予測