2011-02-07 ArtNo.44418
◆昨年12月の輸出36%アップ、33ヶ月来最高マーク
【ニューデリー】インドの2010年12月の輸出額は225億米ドルと、前年同月の164億米ドルを36.4%上回り、過去33ヶ月来の最高をマークした。
ヒンドゥー・ビジネスライン、エコノミック・タイムズ、デカン・ヘラルド、ザ・ヒンドゥー、ファイナンシャル・エクスプレスが2月1/2日、商工省発表のデータを引用し報じたところによると、今会計年度通年の輸出目標2000億米ドルが実現する可能性はさらに高まった。輸出の堅調な伸びは、インド輸出市場の3分の1以上を占める米国と欧州連合(EU)の需要復調に加え、非伝統市場開拓努力が奏功したためと見られる。例えば、コロンビア等、ラテン・アメリカ諸国の旺盛な需要に支えられ、エンジニアリング輸出が112%増加した。インド輸出組織連盟(FIEO:Federation of Indian Export Organisations)のRamu S. Deora会頭は、通年の輸出額は2200億米ドルに達すると見通した。
一方、昨年12月の輸入額は前年同月比11.1%減の251億3000万米ドルと、過去14ヶ月来の最低にとどまった。この結果、月間貿易赤字も、前年同月の116億米ドルから26億米ドルに激減し、過去3年来の最低を記録した。
今会計年度当初9ヶ月(2010/4-12)の輸出額は1647億米ドルと、前年同期の1271億8000万米ドルを29.5%上回った。これに対して輸入は前年同期の2073億1000万米ドルから2467億2000万米ドルに19.01%増加した。年初9ヶ月の貿易赤字は820億米ドルと、前年同期の801億3000万米ドルを依然僅かに上回ったものの、増加傾向に歯止めがかかり、経常収支の赤字圧力も多少軽減した。今年通年の経常収支赤字は国内総生産(GDP)の3.5%に達すると予想されている。
○マレーシアと包括的経済協力協定に近く調印
【イポー、マレーシア】インドとマレーシアは今月中にも包括的経済協力協定(CECA:Comprehensive Economic Cooperation Agreement)に調印する。
エコノミック・タイムズとデカン・ヘラルドが1月31日伝えたところによると、マレーシアの英字紙スターは31日、Ahmad Husni Mohamad Hanadzlah同国第二蔵相の以上の発言を伝えた。それによると、両国間のCECAは今年7月1日に発効する見通しと言う。
○インドとEUの首席代表がケララ州でFTA協議
【ニューデリー】欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)交渉首席代表が、先週ケララ州の保養地Kumarakom湖畔で、インド側代表と会談した。
エコノミック・タイムズが1月25日報じたところでは、商工省筋は「インド商工省のP K Chaudhary副次官とEUのIgnacio Garcia Bercero首席代表が1月26日から交渉を開始する」と語った。
一方、EUのDaniele Smadja大使は1月21日、「インドとEUは、商品/サービス/投資を含む自由貿易交渉を4月までに妥結させることを目指している」と語った。
EUは知的財産権(IPR:Intellectual Property Rights)とデータ保護問題をFTAに含めるよう求めている。ファイナンシャル・エクスプレスが1月22日伝えたところでは、EUは医薬品検査データに対する独占権をFTAに含めるよう求めているが、外国港湾におけるインド産後発医薬品の没収、外国企業による主要インド企業買収、欧米日との模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA:Anti-Counterfeiting Trade Agreement)交渉等を配慮するなら、EUの要求を受け入れることは、インド医薬産業に深刻な打撃を与える。産業政策振興局(DIPP:Department of Industrial Policy and Promotion)は「『IPRをFTAに含める』と言うEUの要求を拒絶する」と重ねて表明しているものの、EUのインド政府、取り分け総理府(PMO)に対する圧力は日増しに高まっていると言う。
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