SEAnews 2011-01-30 ArtNo.44399

【ニューデリー】急成長する航空輸送需要に応じるため、航空各社が手持ち航空機の数を増やす中、インドの航空機MRO(maintenance, repair and overhaul)サービス市場も２０２０年までに現在の５億米ドルから３倍の１５億米ドルに拡大する見通しだ。
エコノミック・タイムズが１月２７日報じたところによると、MROサービス会社Air WorksのVivek N Gour重役(MD)は以上のように見通した。観測筋によれば、２０２１－２２年の航空旅客数は３倍の延べ３億６２００万人に増加、地元航空各社が保持する航空機数も２倍以上の約１０００機に増加する見通しだ。
このためMRO領域への投資も向こう１０年間に顕著な増加を見るものと予想される。MRO収入は複合年間成長率１５％の伸びが見込まれるが、インドのMRO市場は４５０億米ドルの世界MRO市場の依然１％に過ぎない。
○Air France- KLM、MROセンター設置準備
【ニューデリー】最近、マハラシュトラ州Munbai拠点のMax Aerospaceの２６％権益を買収したAir France- KLMは、インド国内に航空機のMRO(maintenance, repair and overhaul)施設を設ける計画だ。
エコノミック・タイムズが１月２７日伝えたところによると、KLMのVincent Knoops上級副社長は、「MROセンターの候補地として２都市を検討しているが、デリーでもムンバイでもない」と語った。
○ハネウェル、AP州のR&D／フライト・オペ施設開所
【ハイデラバード】米国拠点のHoneywell Internationalは、アンドラプラデシュ工業インフラ公社(APIIC:Andhra Pradesh Industrial Infrastructure Corporation)がHyderabad近郊Nanakramgudaに設けたAPIIC IT団地内に、研究開発(R&D)施設Honeywell Technology Solutions Lab (HTSL)とフライト・オペレーション・センター(FOC)を設置、２３日、アンドラプラデシュ州のN Kiran Kumar Reddy首席大臣を招き、HTSL第１期分とFOCの落成式及びHTSL第２期分の起工式を催した。
デカン・ヘラルド、ヒンドゥー・ビジネスライン、ビジネス・スタンダードが１月２３／２４日報じたところによると、航空宇宙システム／自動化・制御システム／航空電子工学／交通システム領域のR&D業務を手がけるHTSLのスペースは１２万５０００平方フィート。エンジニアの数は、現在の６００人から今年末までに１０００人以上に増員される。第１期分のコストは１００クロー(US$2222万)以上で、第２期工事にもほぼ同額が投じられる。
HTSLのKrishna Mikkilineni社長によると、フライト・オペレーション・センター(FOC)は全世界の航空機の５０％近い１万４０００機の運航をモニターする。
○Mahindra Aerospace、３月末までに１号機を初出荷
【ムンバイ】国内市場向け小型商用航空機の製造を目指すインド初の航空機メーカー、Mahindra Aerospace(MA)は、今年３月までに国産第１号機を初出荷する計画だ。
デカン・ヘラルドが１月２３日伝えたところによると、Mahindra and Mahindra(M&M)のHemant Luthra社長(Systech部門担当)はこのほどPTI通信に以上の見通しを語った。それによると、カルナタカ州Bangaloreの工場で生産される５人乗りと８人乗りの新製品は、耐空性基準を１００％満たしたものとなり、価格は同種のセスナ社製品を少なくとも２０％下回るレベルに設定されると言う。
○Pratt & Whitney、航空機エンジン・サービス開始
【ムンバイ】インドにおける航空機エンジン・サービス業務を最近開始したPratt & Whitneyは、インドの航空機市場の先行きを楽観している。
ヒンドゥー・ビジネスラインが１月２０日伝えたところによると、P&WのMs Katy Padgett商用エンジン＆国際サービス担当課長は、「Air Indiaが目下、エンジン洗浄サービスのフランチャイジーを務めているが、インド国内に専門の保守施設を設ける用意もある」と語った。それによると、現在インド国内にはP&W製エンジンを搭載した航空機が約３００機存在し、各２基のエンジンを搭載しているとしてエンジンの数は６００基にのぼる。Indigoは最近エアバス１８０機の購入契約を結んでおり、インド市場の見通しは明るいと言う。