2011-01-18 ArtNo.44366
◆保健相、多国籍企業の地元製薬会社買収ラッシュに懸念
【ムンバイ】インド製薬業者協会(IDMA:Indian Drug Manufacturers' Association)が12日マハラシュトラ州Mumbaiで主催した第49回年次会議の席上、Ghulam Nabi Azad保健・家庭福祉相は、多国籍企業によるインド製薬会社の買収が最近急増していることに強い懸念を表明した。
ヒンドゥー・ビジネスラインが1月13日伝えたところによると、アザド保健相は、こうした潮流を放置すれば、一般国民の手が届く合理的価格の医薬品がインド国内だけでなく、世界市場においても払底する恐れがあると警鐘した。
○輸出医薬品にバーコード義務づけ
【ニューデリー】商工省は2011年7月1日より輸出向け医薬品の包装紙に原産地が確認できるバーコードを表示するよう義務づけた。
ビジネス・スタンダードが1月13日報じたところによると、これは一部のアフリカ諸国がインド産医薬品の品質に対する懸念を表明したことから、製薬業界自身がバーコード表示を義務づけるよう提言したのに伴うもの。
○医療費の78%を患者本人が負担
【ニューデリー】医学雑誌『Lancet』に掲載された調査報告によれば、インド人の医療費支払いの78%が本人のポケットから支出されている。これに対してモルジブにおける同比率は14%、ブータンは29%、スリランカは53%、タイは31%、中国は61%となっている。
エコノミック・タイムズが1月13日伝えたところによると、『万民のためのファイナンシング・ヘルスケア:挑戦と機会(Financing health care for all: challenges and opportunities)』と題する同レポートは、「僅かにパキスタンの82.5%がインドを上回った」と報告している。またインドにおける医療費支出の特徴として、①医療費支出の74%が外来治療で占められ、入院治療は26%に過ぎないこと、②患者個人の支払いの72%は薬代で占められていることの2点を指摘している。報告書の執筆者の1人、Dr A K Shiva Kumar氏によると、インドでは毎年3900万人近くが病気のため貧困に追い込まれていると言う。
|