SEAnews 2010-12-21 ArtNo.44303

【ニューデリー】Hero Groupは16日、合弁会社Hero Honda Motors Ltd(HHML)の26％のホンダ持ち分を段階的に全て買い取ると発表した。取引は来年完了するものと見られ、これにより、ヒーロー・グループはHHMLの52％の権益を握ることになる。取引の詳細は明らかでないが、ホンダの26％の持ち分の時価は20億米ドル近い。
ヒンドゥー・ビジネスライン、ビジネス・スタンダード、ザ・ヒンドゥーが12月16／17日報じたところによると、Munjal一族に率いられるヒーロー・グループとホンダが1984年に対等出資で設立したHHMLは、今や世界最大の二輪車メーカーだが、両パートナーは26年に及んだ合弁を解消する方針を決めた。
両パートナーは合弁契約に替えてライセンス契約を結ぶことで合意しており、これによりHHMLは、ホンダの既存技術と新技術にアクセスできる他、独自の研究開発(R&D)も手がけることができる。
一部の市場筋は取引条件等が不透明と苦情を述べているが、ビジネス・スタンダードが12月18日伝えたところによると、法人事務省(corporate affairs ministry)オフィシャルは17日、取引の実態を調査する計画ないと語った。専門家によると、主要プロモーター間の持ち分の売買に関しては、取引価格を公開する義務はないと言う。
Salman Khurshid法人事務相は「我々は企業の合併のみを監視しており、合弁の解消に関しては特に調査しない。何故なら合弁の解消は市場の競争を促進するのに対し、合併は公正な競争を阻害する恐れがあるため」と語った。
○ホンダ、インド二輪車市場4位に後退
【ムンバイ】ホンダはHero Groupとの合弁解消に伴い、年間500万台のモーターサイクルとスクーターの販売を、現在のパートナーに譲り渡す。これに伴いインド二輪車市場におけるホンダの順位は4位に後退する。
ヒンドゥー・ビジネスラインが12月16日報じたところによると、インド二輪車市場のシェアは、①Hero Groupが500万台、②Bajaj Autoが350万台、③TVS Motorが200万台、④Honda Motorcycle & Scooter India Pte Ltd(HMSI)が150万台。
ホンダ本社の伊東孝紳社長は、最近、インド等の新興市場における競争過熱を予想、トップクラスのモーターサイクルをより低価格で提供する戦略を採用することを示唆した。同社は既に中国で僅か600米ドルのモーターサイクルを発売する計画を明らかにしており、HMSIも250ｃｃのCBRを15万ルピー(US$3333)以下で発売する。観測筋は100～150ｃｃクラスにもこうした戦略が適応されるものと予想している。
アナリストらは、ホンダがHero Groupが牙城とするコミューター・セグメントに浸透することは、当然予想され、価格競争の末、顧客がホンダ・ステーブルの製品を選ぶならホンダは金鉱を手に入れることができると指摘した。
○ホンダ完全出資子会社、今年の二輪車販売160万台目指す
【ムンバイ】Honda Motorcycle & Scooter India Pte Ltd(HMSI)は今会計年度の二輪車販売台数を、昨年の127万台から160万台に拡大する計画だ。
ビジネス・スタンダードが12月16日伝えたところによると、同社は11月末までに6万1000台を輸出、今年通年で10万台の輸出を目指している。ハリヤナ州の既存工場の年産能力は160万台で、ラジャスタン州に500クロー(US$1.111億)を投じて建設する当初年産能力60万台の新工場は来年12月までに稼働すると言う。