2010-12-13 ArtNo.44282
◆今年通年のGDP成長率9%も:大蔵省経済中期見直し
【ニューデリー】Pranab Mukherjee蔵相は7日、『2010-11年度経済年央分析(Mid-year analysis of the economy 2010-11)』報告書を国会下院に上程、2010-11年度の国内総生産(GDP)成長見通しを、今年2月に発表した『2009-10年経済調査(Economic Survey of 2009-10)』報告における8.5%+/-0.25%から8.75%+/-0.35%に上方修正した。
ヒンドゥー・ビジネスライン、ザ・ヒンドゥー、ファイナンシャル・エクスプレスが12月8日報じたところによると、ムカジ蔵相は、第二世代(2G)移動体通信周波数域割当疑惑を調査する両院合同委員会(JPC:joint parliamentary committee)の設置を巡る与野党の攻防で混乱状態を呈する国会に以上の報告書を提出した。
世界景気の後退を何とか乗り切ったインド経済は、農業、工業、サービス3部門の好調を背景に、今年は、通年で金融危機発生以前の9%台のGDP成長を実現する可能性が出て来た。報告書は9%を上回る可能性も示唆している。
過去数ヶ月最大の懸念材料とされて来たヘッドライン・インフレーション(総合インフレ)も、沈静する兆しが見られ、来年3月までに、現在の8%以上から6%のレベルに鈍化するものと予想されている。2010年4-10月のインフレ率は8.98%で、中央銀行Reserve Bank of India(RBI)は2011年3月末までに5.5%まで引き下げることを目指している。この日記者会見した大蔵省のDr Kaushik Basu主任エコノミストは11月のヘッドライン・インフレが10月の8.58%から7.5%に鈍化すると予想した。
今会計年度上半期のGDP成長率が8.9%をマークしたことから、アナリストらの間にも、早晩金融危機以前のレベルが回復するとの期待が高まっている。
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