【バンガロール】フランスはインドにおける将来の成長に寄与するプロジェクトに対する融資を3倍に拡大する。取り分け原子力事業は両国の協力の要をなす。
ヒンドゥー・ビジネスライン、ファイナンシャル・エクスプレス、ザ・ヒンドゥー、デカン・ヘラルド、ビジネス・スタンダードが12月5日報じたところによると、インド宇宙研究機構(ISRO:Indian Space Research Organisation)を4日訪れたフランスのNicolas Sarkozy大統領は、以上の方針を明らかにした。
この日早朝カルナタカ州Bangaloreに到着、過去2年来2度目のインド訪問の日程をスタートしたしたサルコジ大統領は、ISROにおけるスピーチの中で、科学、取り分けハイテク領域における両国の協力拡大を呼びかけるとともに、インドの原子力供給国グループ(NSG:Nuclear Suppliers Group)への参加と、国連安全保障理事会常任理事国入りを支持するフランスの立場を表明した。
サルコジ大統領は、その一方で、世界金融システムの改革を目指すフランスの主張を支持するようインドに求めた。フランスは主要20ヶ国(G20)会議の議長国を務める期間に、国際金融システムの改革とともに、国際市場における商品価格の安定化を図る国際規則の確立を目指すと言う。
今回の訪問に先だってパリでマスコミのインタビューに応じたサルコジ大統領は、原発事故の民事責任問題に触れ、インドはウィーン条約を遵守すべきであると語った。 ○印仏、原子力協力5協定に調印
【ニューデリー】インドとフランスは6日、両国間の原子力領域における協力関係を強化するための5協定に調印した。
ヒンドゥー・ビジネスラインとデカン・ヘラルドが12月6日伝えたところによると、インドを訪問中のフランスのNicolas Sarkozy大統領とインドのManmohan Singh首相の首脳会談後結ばれたこれらの協定とは:
①インドの原子力発電事業を独占経営するNuclear Power Corporation of India Ltd (NPCIL)とフランスの原子力発電会社Arevaが締結した欧州加圧水炉(EPR:European Pressurised Water Reactor)の建設に関する『一般枠組み協定(general framework agreement)』;
②マハラシュトラ州Ratnagiri県JaitapurにEPRユニットを設置するための『初歩的作業協定(Early Works Agreement)』;
③『原子力平和利用領域における協力に関わる技術データ及び情報の機密保護に関わる協定(agreement on Protection of confidentiality of technical data and information relating to cooperation in the peaceful uses of nuclear energy)』;
④原子力局(DAE:Department of Atomic Energy)とフランス原子力委員会(Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives)との間で結ばれた核科学技術領域における協力協定;
⑤原子力の平和利用に関わる『知的財産権協定(Intellectual Property Rights)』。 ○仏大統領訪問前に原発反対派800人以上を拘留
【ムンバイ】フランスのNicolas Sarkozy大統領の訪問の2日前に、マハラシュトラ州Jaitapurに原子力発電所を建設することに反対する抗議活動が州都MumbaiとRatnagiri県Madbanで催され、ムンバイでは少なくとも800人が警察により拘留された。
ザ・ヒンドゥーが12月5日報じたところによると、活動家らは、1500人以上が拘留されたと述べている。拘留者には、反対運動の先頭に立つKonkan Bachao Samiti (KBS)とJanahit Seva Samiti(JSS)の主要メンバーやB.G. Kolse-Patil元高裁判事が含まれているもよう。警察は拘留者の詳細を明らかにしていない。