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2010-12-04 ArtNo.44249
◆今年第2四半期のGDP成長率8.9%
【ニューデリー】インドの今会計年度第2四半期(2010/7-9)の国内総生産(GDP)成長率は、農業部門の好調に支えられ、政府やアナリストらの予想を上回る8.9%(8.7%)を記録、世界の主要経済体の中では中国の9.6%に次ぐ2番目に高い伸び率をマークした(括弧内は昨年同期の数字、以下同様)。
ヒンドゥー・ビジネスライン、デカン・ヘラルド、ザ・ヒンドゥー、ファイナンシャル・エクスプレス、ビジネス・スタンダードが11月30日/12月1日、中央統計局(CSO:Central Statistical Organisation)発表の暫定数字を引用し報じたところによると、政府やアナリストらが成長の鈍化を予想していたにも関わらず、農業、工業、サービス3部門が何れも第2四半期に好調な成長を遂げた。第1四半期のGDP成長率も当初発表の8.8%から8.9%に上方修正された。この結果、今会計年度上半期(2010/4-9)のGDP成長率も8.9%(7.5%)を記録した。
農業部門の成長率は、第1四半期の2.5%(1.9%)から第2四半期の4.4%(0.9%)に加速、上半期を通じた伸び率は3.8%になった。
工業部門の第2四半期の成長率は8.5%(10.1%)を記録、うち製造業部門の伸びは9.8%(8.4%)に達した。しかし製造業の伸びは今年第1四半期の13%に比べ鈍化した。
サービス部門の第2四半期の成長率は9.6%をマーク、この内、電気/ガス/水道部門が3.4%(7.7%)、建設部門が8.8%(8.3%)、貿易/ホテル/運輸/通信部門が12.3%(8.2%)、金融/保険/不動産/ビジネス・サービス部門が8.3%(11.3%)、共同体/社会/個人サービス部門が7.3%(14%)の伸びを見た。
消費と投資の両サイドに回復が見られ、民間最終消費支出(private final consumption expenditure)は第1四半期に昨年同期比実質7.84%(上方修正)、第2四半期に同9.28%アップ、第2四半期の総固定資本形成(GFCF:gross fixed capital formation)は同11.1%、第2四半期の政府消費支出(Government consumption expenditure)は同9.2%、それぞれ増加した。民間消費の伸びには農業部門の好調が反映されている。
こうした中で、今会計年度通年のGDP成長率が、政府が当初予想した8.5%を上回り、9%近い数字になるのではないかとの期待が高まっている。
Pranab Mukherjee蔵相は通年の成長率は8.7-8.75%を下回ることはなかろうと予想、同相の首席経済顧問Kaushik Basu教授は9%も不可能ではないとコメントした。
しかし計画委員会(Planning Commission)は、通年のGDP成長予測を8.5%に据え置いている。計画委員会のPronab Sen主任顧問によると、工場生産(Factory output)は過去16ヶ月の大部分、前月比マイナス成長を見ており、製造業各業種を通じた全般的な需要の軟化が窺える。今年第2四半期の工場生産の伸びは8.69%にとどまった。8月の工業生産指数(IIP)成長率は6.91%と、7月の14.99%から顕著に鈍化、9月には過去16ヶ月来最低の4.4%失速した。これには中央銀行が進めるインフレ抑制のための金融引き締め策が反映されている。こうした状況を配慮すれば、2010-11通年のGDP成長率は8.5%が妥当なところで、一部のエコノミストが予想する9%より現実的と言う。
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