SEAnews 2010-11-19 ArtNo.44212

【ニューデリー】卸売物価指数(WPI:Wholesale Price Index)をベースにした10月のヘッドライン・インフレーション(総合インフレ)は、一次産品、取り分け食品価格の沈静を背景に8.58％と、前月の8.62％を僅かに下回り、過去9ヶ月来の最低をマークした。しかし昨年同期の1.48％とは比べものにならず、中央銀行Reserve Bank of India(RBI)が今会計年度末までに実現を目指す受容可能な水準(tolerable level)の6％も遙かに上回っている。
デカン・ヘラルド、ファイナンシャル・エクスプレス、ヒンドゥー・ビジネスライン、ビジネス・スタンダード、ザ・ヒンドゥーが11月15／16日報じたところによると、中央統計局(CSO:Central Statistical Organisation)は15日、以上の数字を発表した。
10月のヘッドライン・インフレが2ヶ月連続して鈍化したことで、ポリシー・メーカーは多少安堵したものと見られるが、食品インフレは依然高い水準にある。とは言え、RBIは、インフレ沈静化の兆しと、工業部門の顕著な成長鈍化を配慮し、一層の金融引き締めを暫時見合わせるのではないかと予想されている。
2010年10月から5ヶ月間にわたり二桁を記録していたヘッドライン・インフレは、2010年8月以降一桁に沈静、食品インフレも9月の15.7％から10月の14.1％に、製造業品目のインフレ率も9月の4.59％から10月の4.75％に、それぞれ鈍化した。
Pranab Mukherjee蔵相によると、サプライ・サイドのプレッシャーは依然持続しているものの、RBIの金融引き締め措置が、インフレの沈静化に効果を発揮したものと見られる。RBIは2009年4月から2010年9月16日までの間に、支払い準備率(CRR:cash reserve ratio)を1％ポイント、短期貸出金利(repo rate)を1.5％ポイント、短期借入金利(reverse repo rate)を2％ポイント、それぞれ引き上げた。RBIのこうした措置の効果はまだ全面的に現れていないが、2011年3月末までにインフレは6％の水準に鈍化する見通しと言う。