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2010-11-19 ArtNo.44201
◆UPA政権、巨大汚職疑惑で立ち往生
【ニューデリー】第二世代(2G)移動体通信ライセンスの発給を巡るスキャンダルでA Raja通信相は終に辞職に追い込まれた。これにより統一進歩連合(UPA:United Progressive Alliance)政権そのものが総辞職を迫られるようなことはなさそうだが、2009年の総選挙を圧勝したにも関わらず、連立政権が抱える脆弱さを改めて露呈した感がある。
ビジネス・スタンダードが11月16日報じたところによると、電信局(DOT)や首相の勧告も無視して先着順に2Gライセンスを発行し、国庫に国防予算と同レベルの390億米ドルの歳入損失を被らせたとされるドラビダ進歩同盟(DMK:Dravida Munetra Kazhagham)のRaja通信相に対しては、2007年当時から野党が辞職を要求して来た。しかし当時のManmohan Singh首相は、連立政権主要メンバーの支持を得た同相を解任することができなかったものと見られる。しかし2009年の総選挙で国民会議派は連立政権内の指導力を格段に強化、対照的にDMKは連立政権内の影響力を後退させた。このことが今回の通信相の辞職につながったものと見られる。
しかし、通信相の辞任に先立って、国民会議派の2人の幹部、デリー英連邦競技会組織委員会のSuresh Kalmadi理事長と、マハラシュトラ州のAshok Chavan首席大臣も、汚職に連座し相次いで辞職を強いられたことから、国民会議派に率いられるUPA政権の威信は、過去6年の治世中最大の打撃を被り、改革法案の国会通過もままならない状況に立ち至っている。国民会議派は今日、Rajiv Gandhi首相側近が武器取引を巡る贈収賄事件に連座し、1989年の総選挙に敗れた苦い経験を思い起こしているものと見られる。
○野党、UPA政権叩きで先陣争い
【ニューデリー】統一進歩連合(UPA:United Progressive Alliance)政権が相次ぐ汚職事件で窮地に立たされる中、野党陣営には、政権叩きの先陣争いが生じている。
ビジネス・スタンダードが11月16日伝えたところによると、野党第一党のインド人民党(BJP:Bharatiya Janata Party)は、国会合同委員会(JPC:joint parliamentary committee)の開催を政府に迫り、ライムライトの独占を図ったが、16日は、社会党(SP:Samajwadi Party)や国民人民党(RJD:Rashtriya Janata Dal)も、左派政党の支持を得、政府に集中砲火を浴びせた。
○全党会議もの別れに
【ニューデリー】野党側が、第二(2G)周波数域ライセンスの割当を巡り国会合同委員会(JPC:joint parliamentary committee)の開催を要求、国会が空転する中、16日には全党会議が催されたが、合意には至らず国会上下両院の会議が再開される見通しは立っていない。国会の空転は既に4日間に及んでいる。
デカン・ヘラルドが11月16日報じたところによると、この日与野党各党の代表が参加する昼食会を主宰したPranab Mukherjee蔵相は、各党の意見をManmohan Singh首相に伝え、検討した後、再度全党会議に結果を報告することを約束した。野党各党は、A Raja通信相の辞表提出に関わらず、JPC開催要求を堅持したため、話し合いは平行線を辿った。
○ラーフル・ガンディ氏、一層の汚職対策示唆
【ラーエバレリ】第二世代(2G)移動体通信ライセンス発給を巡る醜聞でA Raja通信相が辞表を提出した翌15日、国民会議派リーダーのRahul Gandhi議員は、一層の汚職対策を講じることを示唆した。
ファイナンシャル・エクスプレスが11月16日伝えたところによると、ウッタルプラデシュ州Lucknow区Raebareli県の履き物設計開発学院(Footware Design Development Institute)新校舎落成式に出席後、同校学生と懇談したラーフル氏は、「汚職防止のための厳しい措置が必要とされており、中央政府は強力な対策を準備している」と語った。
○首相、閣僚資産の公開決意
【ニューデリー】汚職事件を巡る政権批判が高まる中、Manmohan Singh首相は、閣僚の資産/負債の詳細を公表する方針を決めた。
ファイナンシャル・エクスプレスが11月15日、消息筋の言として報じたところによると、KM Chandrasekhar官房長官は、首相が、政治の透明さを高める努力の一環として、閣僚の資産/負債リストを公開する方針を決めたことを、全閣僚に通知した。これを受けて、総理府は全閣僚の資産/負債リストをWEBサイトに近くアップロードすると言う。
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