【ニューデリー】主要国の景気の先行きが不透明なことを反映し、8月の外国直接投資(FDI)流入額は13億3000万米ドルと、昨年同月の32億6000万米ドルに比べ60%減少、3ヶ月連続の落ち込みを見た。
エコノミック・タイムズ、デカン・ヘラルド、ビジネス・スタンダードが10月13/14日伝えたところによると、6月の流入額は昨年同月比46%減の13億8000万米ドル、7月のそれは同49%減の17億8000万米ドルにとどまった。この結果、年初5ヶ月(2010/4-8)のFDI流入額は昨年同期の138億米ドルから89億2000万米ドルに35%減少した。
世界貿易機関センター(WTO Centre)に属するインド貿易研究所(IIFT:Indian Institute of Foreign Trade)の国際貿易専門家Rakesh Mohan Joshi氏によると、FDI減少の主因は米国や欧州等、西側主要経済体の経済が低迷しているため。信用格付け会社Credit Rating Information Services of India Ltd(CRISIL)のDharmakirti Joshi主任エコノミストは、「これはインド経済にとって芳しくないニュースだ。国際経済の復調が依然脆弱なことを反映している」と語った。
主要なFDI流入部門にはサービス、テレコム、建設、コンピュータ・ソフトウェア、ハードウェアが、主要投資国にはモーリシャス、米国、英国、シンガポール、オランダ、日本が含まれる。
政府は、マルチ・ブランド小売業や国防産業領域の外国投資規制緩和に関するディスカッション・ペーパーを配布、各方面の意見を聴取している。
国連貿易会議(UNCTAD)は『2010-2012年世界の投資見通し調査(World Investment Prospects Survey 2010-2012)』報告書の中で、2010-2012年の最大の投資地として中国に次いでインドを掲げている。インドの2009-10年のFDI流入額は258億8000万米ドルと、前年の273億3000万米ドルを5%下回った。