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2010-10-15 ArtNo.44057
◆工業生産指数の伸び15ヶ月来最低の5.6%
【ニューデリー】今年8月の工業生産指数(IIP:index of industrial production)の伸びは5.57%(10.6%)と、今年7月の15.2%から大幅に鈍化、過去15ヶ月来の最低を記録した(括弧内は前年同月の数字、以下同様)。ちなみに7月の成長率は当初発表の13.8%から15.2%に上方修正された。
エコノミック・タイムズ、ヒンドゥー・ビジネスライン、ファイナンシャル・エクスプレス、ザ・ヒンドゥーが10月12/13日報じたところによると、エコノミストらは、比較の対象になる前年同期の成長率が高水準だったことや、IIPの26.7%の比重を占める中核インフラ産業の8月の伸びが3.7%に鈍化したことから、8月のIIP成長率が一桁に減速する可能性を予想していたが、落ち込み幅は予想を上回った。
8月のIIP成長率を部門別に見ると、IIPの5分の4の比重を占める製造業が5.9%(10.6%)、鉱業が7.0%(11.0%)、電力が1.0%(10.6%)と、何れも前年同月の伸びを大きく下回った。
用途に基づき分類(use-based classification)した製造業各部門の伸び率は、資本財部門-2.6%(9.2%)、消費財部門6.9%(10.9%)、耐久消費財部門26.5%(24.7%)、非耐久消費財部門-1.2%(6.1%)、基本財部門3.7%、中間財部門10%と、特に資本財部門が7月の72%から-2.6%に劇的な落ち込みを見た。同部門は6月にもマイナス成長を記録していた。資本財部門は指数そのものも6月436.6、7月654.9、8月395.8と、激しく振幅している。この他、基本財部門は7月の5.2%から3.7%に、非耐久消費財部門は7月の1.4%から-1.2%に、それぞれ下降した。しかし中間財部門の伸びは7月の9.2%を上回った。
全国産業分類(national industrial classification)主要17業種中14業種がプラス成長を記録した。
IIPの伸びは今年4月の15.22%、5月の11.49%、6月の5.76%、7月の15.20%、8月の5.57%と、月ごとに大きく変動している。とは言え年初5ヶ月(2010/4-8)のIIP成長率は10.6%(5.9%)と二桁台を維持、特に製造業の伸びは11.3%と、依然前年同期の5.6%を遙かに上回っている。
Pranab Mukherjee蔵相は「若干失望した。年間ベースでどうなるか見てみよう」と落胆の色を隠さなかった。大蔵省のAshok Chawla次官は「周期的変動を見ており、ポリシー・メーカーは様子を見る必要がある」と語った。中央銀行のSubbarao総裁は「中央銀行は最新の数字を検討する」とだけ述べ、それ以上コメントすることを控えた。
信用格付け会社Credit Rating Information Services of India Ltd(CRISIL)のDharmakirti Joshi主任エコノミストは、「我々は『変動性に富んだ月間統計数字だけから、トレンドを判断し、政策措置を講じることはできない』と言う教訓を学んだ」と指摘した。同氏は今会計年度下半期のIIP平均成長率を8~10%と予想した。
以上の数字が発表された後、10年もの国債の利回りは8.02%に2ベイシスポイント、ボンベイ証取(BSE)センシチブ指数(SENSEX)は137ポイント、ルピーの対米ドル為替相場は44.63に0.73%、それぞれ下降した。産業界は、中央銀行に対し、11月2日の金融政策の見直しに際して主要政策金利の一層の引き上げを見合わせるよう求めた。
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