【ニューデリー】今年7月の鉄鉱石輸出は473万トンと、昨年同月の654万トンに比べ27.64%減少した。
ヒンドゥー・ビジネス・ライン、デカン・ヘラルド、エコノミック・タイムズが8月23/27日報じたところによると、インド鉱業連盟(FIMI:Federation of Indian Mineral Industries)は23日以上の暫定統計数字を発表した。FIMIのR K Sharma常務理事によると、中国の需要減退と雨期の到来が輸出の減退につながった。
しかし今年初4ヶ月(2010/4-7)の鉄鉱石輸出量は3286万トンと、前年同期の3139万トンに比べ4.68%増加した。
インドは昨年度2億1800万トンの鉄鉱石を生産、その半ばを輸出した。輸出量の80%以上が中国に向けられた。 ○カルナタカ州、鉄鉱石の輸出を禁止
カルナタカ州の輸出禁止措置の影響で、今後輸出の一層の落ち込みが予想される。カルナタカ州はインドの年間1億1500万トンの鉄鉱石輸出の3分の1を占めるが、違法輸出を取り締まるため、7月26日をもって輸出を禁止した。
しかし鉱山業者22社はカルナタカ州政府の輸出禁止を不満とし、高裁に州政府を訴えた。鉱山業者の他、運輸業者も深刻な打撃を受けている。 ○中央政府、鉄鉱石輸出禁止不支持表明
【ニューデリー】インド中央政府は26日、カルナタカ州政府が採用した輸出禁止措置は違法鉱山活動の取り締まりに役立たないとの立場を表明した。
デカン・ヘラルドが8月26日伝えたところによると、B K Handique鉱業相は国会上院における答弁の席上、違法鉱山活動を取り締まる厳しい措置が必要とする一方、カルナタカ州、アンドラプラデシュ州、オリッサ州、ジャールカンド州における違法な鉱山活動は、(州政府の)管理上に問題があるのであって、輸出禁止は問題の解決につながらないとの見方を示した。同相によると、その実、カルナタカ州政府は鉄鉱石の港湾への移動を禁止したのであって、輸出を禁止した訳ではない。また国有化を通じて違法な鉱山活動を撲滅すると言う提案は、技術的に困難であり、国有化自体、違法鉱山活動の抑制にはつながらないと言う。 ○低品質鉄鉱石採取業者に最大の打撃
【バンガロール】カルナタカ州政府の鉄鉱石輸出禁止措置は、低品質な鉄鉱石のみを生産しているTumkur県とChitradurga県に深刻な打撃を与えている。
ビジネス・スタンダードが8月26日報じたところによると、カルナタカ州内で鉄鉱山を営む約90社中25社がこれら両地区で生産した低品質な鉄鉱石を年間1000万トン以上輸出している。しかし輸出が禁止されたため、両地区で鉱山業に従事する1万人近い人々が、職を失っただけでなく、鉱山業者は設備やインフラへの投資を回収できず、海外のバイヤーからペナルティーも科されている。これらの業者のインフラ及び設備への投資は過去一両年だけで200クロー(US$4256万)以上にのぼる。Sesa Goa、MSPL、Bharat Mines、S K Modi等は鉄鉱石を港湾まで輸送するための列車に別途100クロー(US$2128万)を投じていると言う。