2010-08-16 ArtNo.43785
◆総理府の介入で輸入通信設備のセキュリティー問題に決着?
【ニューデリー】輸入通信設備、取り分け中国から輸入される設備のセキュリティー問題を巡る論争は終に決着したようだ。総理府(PMO:Prime Minister's Office)は13日、通信省に対し、当初の『自己申告(self-certification)制度』と、先月発表された『政策協定試案(draft policy agreement)』の何れかを、電話会社に自由に選択させるよう指示した。
ビジネス・スタンダードが8月13日報じたところによると、セキュリティー問題が解決せぬため、主要テレコム企業は過去8ヶ月にわたり通信機器の輸入ができず、第三世代(3G)サービスの開始が危ぶまれていた。中国製通信設備の輸入許可を申請していたReliance CommunicationsとTata Teleservicesの他、欧州納入業者の設備を採用するものも、当初の契約に基づいて輸入することが認められる見通しだ。
電気通信局(DOT)は2009年12月、電話会社各社に、輸入設備がセキュリティー上問題のない製品であることを保証する自己申告を行うよう指示した。
しかし、情報機関の圧力を受けた通信省は、先月になって、電話会社各社に海外の設備納入業者との間で締結することを義務づける『政策協定試案(draft policy agreement)』を発表した。
同試案には、通信設備メーカーにソース・コードやデザインをエスクロー口座に供託することを義務づけ、違反者には契約額の100%に相当する罰金を科す内容が含まれていた。
このためEricssonを含む欧州の設備メーカーは、同試案に強く反発、特にソース・コードは設備メーカーの重要な知的財産であり、これをシェアすることはできないと主張した。しかし中国企業ZTEは、同試案の受け入れを表明した。
こうした中で総理府は、DOTに対し、内務省とも相談の上、上記の提案内容に検討を加え、2ヶ月以内に結果を報告するよう指示した。
○電信局、ZTE製通信設備の輸入を許可
【ニューデリー】電信局(DOT:Department of Telecom)は、8ヶ月に及ぶ保留処分を解きZTE Corporation(深セン中興通信)が、Reliance Communicationに通信機器を納入するのを許可した。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが8月14日伝えたところによると、これはZTEが、新セキュリティー条件を受け入れたのに伴うもの。もう1社の大手中国通信機器メーカー、Huawei Technologies Co Ltd(HTCL:華為技術有限公司)もセキュリティー条件を受け入れ、輸入を許可されるものと見られる。
○国営電話会社BSNLも中国製通信機器の購買準備
【ニューデリー】Reliance CommunicationがZTE Corporation(深セン中興通信)製通信機器の輸入を認められたことから、国営電話会社Bharat Sanchar Nigam Ltd(BSNL)も中国製設備の輸入許可を電信局(DOT)に求める見通しだ。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが8月15日報じたところによると、BSNLは500万契約者向け電話サービスに必要な新設備の購入を計画、欧米の通信機器メーカーのみを対象にした入札を既に募集したが、BSNL幹部は、中国納入業者に対する政府の姿勢を改めて質す考えを明らかにした。これ以前の同様の質問に対し、DOTは5月15日付けの書簡の中で、中国から設備を輸入しないよう同社に求めたと言う。
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