2010-07-14 ArtNo.43638
◆5月の工業生産、8ヶ月二桁成長維持
【ニューデリー】インドの5月の工業生産指数(IIP:index of industrial production)は、製造業、取り分け資本財と耐久消費財部門の好調に支えられ、昨年同月比11.5%アップ、連続8ヶ月二桁成長を記録した。昨年同月のIIPの伸びは2.1%だった。
ファイナンシャル・エクスプレス、デカン・ヘラルド、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、エコノミック・タイムズ、ザ・ヒンドゥー、ビジネス・スタンダードが7月12/13日、商工省発表の暫定統計数字を引用し報じたところによると、IIPの80%の比重を占める製造部門の成長率は12.3%(1.8%)、鉱業部門は8.7%(3.4%)、電力部門は6.4%(3%)と、何れも前年同期の伸び(括弧内の数字)を大きく上回った。しかし前月の各17.9%、11.7%、6.9%には及ばなかった。
用途に基づき分類(use-based classification)した製造業各部門の伸び率を見ると、資本財部門が34.3%(-3.6%)、耐久消費財部門が23.7%(13.2%)と、これら両部門の好調が目立つが、やはり前月の各69.9%と32.8%の伸びを下回った。この他、基本財部門は7.9%(3.8%)、中間財部門は10.2%(6.6%)、消費財部門は8.2%、非耐久消費財部門は2.4%(-5.5%)の伸びを見た。
全国産業分類(national industrial classification)主要17業種中15業種が5月にプラス成長を記録した。
中央統計局(CSO:Central Statistical Organisation)は今年4月のIIP成長率をこれ以前に発表した17.6%から16.52%に下方修正した。
インド商工会議所連盟(FICCI:Federation of Indian Chambers of Commerce and Industry)のAmit Mitra事務局長は、「比較の対象になる昨年同期の数字が低水準なことに伴うベイス効果(base effect)は徐々に薄れ、6月以降は製造業の伸びが一層鈍化する可能性がある」と指摘、景気刺激策を性急に放棄することがないよう政府に求めた。FICCIはそのステートメントの中で、「中央銀行Reserve Bank of India (RBI)は近く予定される金融政策の四半期見直しに際して、製造業部門の情緒を一層冷え込ませることのないよう配慮すべきだ」と述べている。FICCIによると、農業部門に次ぐ就業機会を提供している繊維産業の成長率は3月の-5.4%、4月の1.5%、そして5月の1.7%と、依然低迷していると言う。
PHD商工会議所(PHDCCI:Punjab, Haryana and Delhi chambers of commerce and industry)のAshok Kajaria会頭は、「IIPの成長は昨年同期が低調だったことに伴うベイス効果によるもので、産業界はまだトンネルを抜け出していない。需要を喚起し、生産コストを抑制する上から、合理的価格の原材料の供給と合理的金利水準の資金供給を維持せねばならない」と指摘した。
|
|