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2010-06-22 ArtNo.43540
◆UCC会長の安全保証説は荒唐無稽:国民会議派
【ニューデリー/ワシントン】Union Carbide India Limited (UCIL)ボパール工場で1984年に発生したメチル・イソシアン酸ガス流出事故を巡り、M K Rasgotra元外務次官は17日、CNN-IBNのインタビューに応じ、「Union Carbide Corporation(UCC)米国本社のWarren Anderson当時会長が逮捕された後、Rajiv Gandhi当時首相は、同会長を保釈し、安全に帰国させると言う決定を承認した。なぜなら逮捕は、米国に対する約束に違反する誤った決定だったからである」と語った。
デカン・ヘラルドが6月18日に報じたところによると、米国大使館のGordon Streeb当時副次長(Deputy Chief de Mission)から、「UCCのAnderson会長が、事故現場を視察し、犠牲者に弔意を表することを希望しているが、帰国の安全を保証して欲しい」との打診を受けた同次官は、内務省と内閣官房長官にそのことを伝えた。首相は選挙運動中で不在だった。Narasimha Rao氏が当時内相を務めており、同次官は内務省が必要な決定を下すと考えた。ガンディ首相は同決定に関して事前に相談を受けなかったが、後からこれを承認し、反対はしなかった。
当時の状況は緊迫していた。黄金寺院内のシーク教分離主義過激派の殲滅を目指す「ブルースター作戦」を実行したIndira Gandhi首相が、1ヶ月前に暗殺されたばかりで、インド各地で半ダースほどの暴動が発生、選挙も迫っていた。Rasgotra元外務次官は「こうした状況の下で、UCC会長が逮捕され、一方的裁判にかけられたとすれば、全世界の企業はインドをどう見ただろう。明らかに国益に関わる重大問題だった」と語った。
これに対して国民会議派スポークスマンを務めるAbhishek Manu Singhvi上院議員は17日ワシントンで記者会見し、「この種の突飛でばかげた発言を直接にしろ間接にしろ支持する主張は荒唐無稽と言う他ない」との談話を発表した。『India-Yale Parliamentary Leadership Programme』年次大会に出席するため国民会議派国会議員団を率いてワシントンを訪問中のSinghvi議員は、インドの元外務次官と米国の元大使館員の発言に関する記者の質問に「インドの首相は個々の刑事事件には関与しない。その種の主張は純粋に政治的意図に基づくものだ」と一蹴した。
Singhvi議員はさらに「この紳士は25年を経た今になって、何故そのような発言をするのか。もっと早く話す機会を見出すことができなかったとでも言うのか。何故、(野党)各党は今になってその種の主張をせねばならないのか。もし多少なり証拠があるとするなら、もっと早くすべきではないのか。知っての通り閣僚グループが問題の検証を進めており、全ての問題点が洗い出されるが、そのような荒唐無稽な説を論じる余地は存在しない」とコメントした。
一方、マドヤプラデシュ州政府は18日、マドヤプラデシュ州Bhopal地裁におけるUCILガス流出事件に対する最近の判決を不服とし、治安判事裁判所(sessions court)に上訴する方針を発表した。ビジネス・スタンダードが18日伝えたところによると、州政府はまた専門調査委員会を組織し、事故の責任者を突き止め、Warren Anderson当時UCC会長の国外脱出がアレンジされた問題に関しても調査する方針を決めたと言う。
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