【ニューデリー】マドヤプラデシュ(MP)州BhopalのUnion Carbide India Limited (UCIL)殺虫剤工場で1984年に発生した史上最悪のメチル・イソシアン酸ガス流出事故の死者は3000人とも1万5000人とも伝えられるが、同事故の唯一の総合的調査報告書の行方が分からなくなっている。
ザ・ヒンドゥーが16日伝えたところでは、タタ社会科学大学院(TISS:Tata Institute of Social Sciences)は、ガス事故被害者救済更生委員(Commissioner of Relief and Rehabilitation for gas victims)の要請を受け、1985年1月1日から2月の第2週にかけて6週間にわたり、教員41人、職員13人、学生478人を動員、工場周辺の2万5259世帯を調査し、報告書をマドヤプラデシュ州政府に提出した。
州政府は報告書を検討した後、TISSに返還すると約束したが、TISSがその後何度もArjun Singh当時首席大臣に返還を求めたにも関わらず、今に至るまで返還されていない。
調査を指揮したTISSのArmaity Desai元学部長(Director)によると、州政府はTISSにデータのコンピューター化を求め、その後、データ分析も要請したが、それを最後に州政府は調査報告書に関する質問に一切応答しなくなった。
調査報告には、死者や孤児、被災した妊婦、家畜、負傷者、呼吸困難者、視力障害者等に関する数値データが含まれ、極めて重要なため、Desai女史は1985年に同校を訪れたRajiv Gandhi当時首相にもそれとなく尋ねたが、何ら回答は得られなかった。調査費用に関しても州政府は全く関知せぬ姿勢をとっているため、Sir Dorabji Tata Trustが全額負担したと言う。