2010-06-15 ArtNo.43510
◆今年のIT/ITES産業成長率13~15%:Nasscom
【バンガロール】インドの情報技術(IT)/IT対応サービス(ITES)産業は210-11年には、BPO(business process outsourcing)産業の15~16%の成長に支えられ、13~15%の成長を遂げる見通しだ。
デカン・ヘラルド、ビジネス・スタンダード、ザ・ヒンドゥー、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ファイナンシャル・エクスプレスが6月9/10/11日伝えたところによると、ソフトウェア・サービス会社全国協会(NASSCOM:National Association of Software and Service Companies)のSom Mittal会頭は9日記者会見し、以上の見通しを明らかにした。世界的金融危機の影響で2009-10年の成長率は4~7%にとどまった。しかしBPO産業の国内売上げは2020年までに7倍の150億~170億米ドルに拡大、輸出売上げは500億米ドルに達する見通しだ。小規模都市にBPOセンターが設けられることから取り分け2級、3級都市(tier two and three cities)における就業機会が増すものと予想される。
BPO 3.0への移行に伴い、革新や総合的コスト効率の改善を促す付加価値の高いエンド・ツー・エンド・ソリューションやシェアドゥ・ビジョンと言った新サービスが加わり、ヘルスケア等の新業種やBRIC(ブラジル/ロシア/インド/中国)、日本、ドイツ等の新市場もBPO産業の成長を牽引することになる。さらには新サービス・ラインや、社会/環境/技術領域に生じた新潮流もBPO産業の成長に弾みをつける見通しだ。
その反面、政府の強力な支援を得た新興国同業者との競争が高まる中で、2011年の賃金上昇率は10~20%に達し、2010年3月の人員損耗は2009年3月比8~10%上昇、インドBPO産業は厳しい試練に晒されている。ルピー為替レートの変動もBPO産業の売上げに影響を及ぼしている。人員損耗率上昇対策としては人材開発を通じた人的資源プールの拡大、デリバリー・ミックスの調整、2級、3級都市へのシフト等、競争力有るロケーション選定、インフラストラクチャーの整備が挙げられると言う。
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