【ニューデリー】インド政府は首都圏(NCR)と他の12主要都市に4月1日からBharat Stage IV(BS4)排ガス基準を導入したが、商用車メーカーはまだBS4対応のトラックやバスを1台も販売していない。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが5月18日報じたところによると、マーケット・リーダー、Tata Motors Ltd(TML)のタミールナド州Chennai拠点のディーラーは、BS4対応商用車の販売は6月以降になるとしており、西ベンガル州Kolkata拠点のディーラーは手持ちのBS4対応車は軽トラックAce10台のみと語った。
NCR拠点のAshok Leyland Ltd(ALL)ディーラーは、手元にBS4対応車は1台もないと述べ、マハラシュトラ州Mumbai拠点のALLディーラーはBS4対応車の発売は9月~10月の間になると語った。
Swaraj Mazdaのディーラーは、まだインド車両検査協会(ARAI:Automotive Research Association of India)のBS4認定を得たモデルは存在しないと語った。
ARAIはインドにおける排ガス基準の検査認証機関の1つで、この種の機関のBS4検査をパスしない車輌は、NCRと主要12都市の地方運輸事務所(RTO:Regional Transport Office)で市内(intra-city)交通用車輌として登録することができない。このため州際(inter-state)交通用車として登録するか、全国認可(National Permit)を取得する他ない。
インド運輸調査訓練基金(IFTRT:Indian Foundation of Transport Research and Training)シニア・フェローで、コーディネーターを務めるS.P. Singh氏によると、現在国内に出回るトラックやバスの大部分はBS2基準を満たしているに過ぎず、BS3基準を満たしたものはほんの僅かに過ぎない。BS4基準を満たしたものは皆無で、メーカーもまだ販売していない。このためスクール・バスと市内運送用トラックは、全国認可を取得する以外にない。
全国の上記13都市以外の地域には10月1日からBS3基準が導入される。BS3/4トラックの保守コストはBS2トラックのそれを15~20%上回ることから、運送業者は銀行への日参を開始していると言う。