2010-05-21 ArtNo.43421
◆JFEスチール、JSW Steelの14.9%権益近く買収
【ムンバイ】JFEスチール は、約6ヶ月にわたる交渉後、Sajjan Jindal氏に率いられるJSW Steel Ltd(JSL)の14.9%の権益を1株1600ルピーで買収することでほぼ合意したもようだ。この取引価格は火曜(5/18)の終値1150ルピーを39%上回り、総額4500クロー(US$9.783億)。
ビジネス・スタンダードが5月19日伝えたところによると、JSLのSeshagiri Rao M V S財務担当重役は同紙に以上の消息を語った。それによると、JSLは来月初めに取締役会を招集し、同計画の承認を求める。プロモーター一族は最近、1750万ワラントの第三者割当(preferential allotment)を通じ、JSLに2100クロー(US$4.57億)を注入した。これは払い込み資本の9.36%に相当する。これによりプロモーターは、JFEに権益売却後も42%の持ち分を維持できる。JFEとの交渉はなお継続中で、詳細の詰めが残されている。このため今月中に何らかの発表が行われる可能性はないと言う。
Angel BrokingのアナリストParesh Jain氏は、「韓国のPoscoにしろ、ArcelorMittalにしろ、インドで新規鉄鋼プロジェクトを立ち上げた外国企業はまだ1社もない。このためJFEはこうした方式を通じて乗用車やモーターバイクの販売が急増しているインド市場への進出を図ったものと見られる。これに対してJSLは将来の事業拡張のために資金を必要としており、双方にメリットがある」とコメントした。同氏によると、JFEはインドにプレゼンスを築くことにより、日本、西ヨーロッパ、米国等の先進国市場の成長鈍化を補填できる。JSLはまた新資金が得られるだけでなく、JFEとの技術提携を強化できる。
JSLはカルナタカ州Bellary県Vijayanagarの工場の年産能力を現在の780万トンから1100万トンに拡張するため、今年だけで7000クロー(US$15.22億)の資本支出を必要としている。この内自己資本は2200クロー(US$4.78億)、残りの4800クロー(US$10.42億)は借入で賄われる。JSLの負債総額は1万6173クロー(US$35.16億)と、自己資本の1.49倍で、高い負債/自己資本比率が新資金調達のネックになっている。
JSLは、西ベンガル州Salboniにおける総合鉄鋼プロジェクトのために5万クロー(US$108.7億)の投資を必要としており、内1万クロー(US$21.74億)は自己資本で賄われる。JSLは2011年末までに同プロジェクトを着工する計画で、JFEは同事業にも出資するものと見られると言う。
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