【ニューデリー】卸売物価を基準にした4月のインフレ率は9.59%と、3月の9.90%に比べ鈍化した。しかし見直し後の2月のインフレ率は10.06%と、これ以前に発表された暫定数字9.89%を上回り、16ヶ月ぶりに二桁をマークした。
ビジネス・スタンダード、デカン・ヘラルド、ファイナンシャル・エクスプレス、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ザ・ヒンドゥーが5月14/15日報じたところによると、昨年同月のインフレ率は1.31%だった。インドの卸売物価指数(WPI)をベースにした月間インフレ率は2009年8月のマイナス0.17%から2010年2月の10.06%に、僅か6ヶ月間にマイナス成長から二桁のプラス成長に急騰した。しかし、ここに来てインフレ率は、2月の見直し後の10.06%、3月の9.90%、そして4月の9.59%と、2ヶ月連続鈍化しており、比較の対象になる昨年同期の数字が高水準なことに伴うベイス効果(base effect)もあって、今後も引き続き沈静化するものと予想される。中央銀行Reserve Bank of India (RBI)に経済の復調に水を差す金利引き上げを強いて来たインフレ圧力も緩和しそうだ。とは言え、食品インフレは依然高水準を維持しており、中央銀行と大蔵省の主要な懸念材料になっている。
最新のWPI統計によると、4月の食品価格指数は前年同月比16.87%上昇した。これは主に豆類が30.42%、ミルクが21.95%値上がりしたため。今月末ケララ州沿岸に到達する南西季節風に伴う雨期が順調なら農業生産を高め、食品インフレの沈静につながるものと期待されている。
4月の製造業製品価格指数は前年同月比6.7%アップした。これは主に綿繊維が15.66%、鋼材が14.56%、医薬品が9.38%、それぞれ値上がりしたため。
燃料/電気/照明/潤滑油指数は4月に昨年同月比12.55%上昇した。これは主にガソリンが17.84%、ディーゼル油が15.66%、値上がりしたため。
この他、石炭価格指数も4月には昨年同月比13.46%の上昇を見た。