SEAnews 2010-04-28 ArtNo.43347

【ニューデリー】第三世代(3G)移動体通信周波数域の競売が開始され、13日を経たが、アナリストらは「入札価格は合理的水準を突破し、異常な水準に近づいている」とコメントした。
エコノミック・タイムズが4月26日、アナリストらの言を引用し伝えたところによると、インド全体をカバーする3Ｇライセンスのコストは8000クロー(US$17.98億)に近づいているが、こうした価格は少数の通信サークルにより牽引されている。例えば、デリーとムンバイの価格は1000クロー(US$2.25億)に近づいており、最低留保価格の300％以上に達している。それとは対照的に全国の半ば近い地区の3Ｇ周波数域はほとんど需要がない。トップ・サークルにおけるアグレッシブな入札は、小規模業者のバランス・シートに大きな圧力をかけている。シティー・グループの報告書は、「小規模業者が大規模サークルを手に入れる機会は薄れている」と指摘している。
ビデオ会議や超高速インターネット接続と言った3Ｇサービスがインド全国に普及するのはなお先のことで、このことが一部の大都市サークルにおける周波数域の入札価格を異常な水準にまで高める要因になっている。
また、一部のサークル、換言すればカテゴリーＡサークルにおける入札価格の異常な高水準は、こうしたサークルにおける周波数域の深刻な供給不足を反映している。大規模業者は2Ｇ周波数域の不足を3Ｇ周波数域で補填しようと考えている。
国内電話会社の総収入の60～80％はデリー、ムンバイ、そしてマハラシュトラ州／グジャラート州／タミールナド州／カルナタカ州／アンドラプラデシュ州のＡサークルにおける収入で占められている。入札価格の急騰はこれらの地域における周波数域不足の深刻さを反映している。
一部のアナリストは、インド電気通信監督局(TRAI:Telecom Regulatory Authority of India)が近く発表する見通しのテレコム・ポリシーの変更が入札価格高騰の一因と指摘する。それによると、通信省が設立した関係省庁や監督機関および業界の代表から成る専門委員会は、6.2MHzを超える2Ｇ周波数域を保持する電話会社にはワンタイム・フィーの支払いもしくは高目の売上げ分与率を適応するよう提案した。既存の2Ｇオペレーターの大部分は少なからぬサークルで6.2MHzを超える周波数域を保持している。
専門委員会はワンタイム・フィーの額は、3Ｇ周波数域の落札価格を基準に設定するよう提案している。
専門委員会はまたスタートアップの周波数域に関しては、当面必要な周波数域は限られているため、余剰能力はテレコム企業に無償で提供し、その後の周波数域は入札を通じて配分すべきだとしている。
くだんのアナリストによると、1サークルに付き1.8MHzの2Ｇ周波数域を無償で手に入れられると言う憶測が、最も投資収益率の高いサークルにおける3Ｇ入札価格を急上昇させる原因になっていると言う。
全ての3Ｇオペレータに必要なことは、3Ｇ対応のベース・トランシーバ基地局(BTS:base transceiver station)を設けることだが、既存の法規の下、3Ｇ周波数域を3Ｇサービスのみに使用すると言う規定は存在しない。したがって手に入れた3Ｇ周波数域を混雑する2Ｇ音声サービスの補充に使用するなら、既存テレコム企業にとってはほとんどコストがかからない。
したがって仮に1.8MHzの2Ｇ周波数域を無償で手に入れられると言う推測が現実になれば、今日の3Ｇ入札価格も決して非現実的とは言えないと言う。