【ニューデリー】中央銀行Reserve Bank of India(RBI)は、銀行が、インフラストラクチャー企業発行の非法定流動性比率(SLR:Statutory Liquidity Ratio)債券への投資を、残余期間7年以上の満期保有(HTM:held to maturity)カテゴリーに分類することを認めた。
ファイナンシャル・エクスプレスが4月21日報じたところによると、RBIが20日発表した2010-11年度金融政策展望からは、同行がインフラ産業に対する長期融資の拡大に照準を合わせていることが窺える。非SLR債に対する銀行の投資は、これまでは満期保有目的(HFT:under held for trading)有価証券もしくは売却可能(AFS:available for sale)有価証券に分類され、値洗い(mark to market:保有する銘柄を時価で再評価すること)を義務づけられていた。
IRB Infrastructure Developers社のVD Mhaiskar会長兼MDは、「これによりインフラ・プロジェクトに対する銀行界の融資意欲が高まる」とコメント、Bank of AmericaのJayesh Mehta重役(MD)は「インフラストラクチャー・プロジェクトに対する融資を、HTMカテゴリーの非SLR社債に対する投資として処理することは、特別目的会社(SPV:special purpose vehicle)ルートを通じた融資に比べ管理が容易で、ポジティブなステップ」と語った。State Bank of IndiaのOP Bhatt会長によると、インフラ・プロジェクトに対する融資の70~80%は商業銀行によるものだが、商業銀行は引き続きそうするものと見られると言う。SREI Infrastructure FinanceのHemant Kanoria重役(MD)は、「確実な証券は二次的担保として用いることができるため、借入のコスト低下が望める」と指摘した。
この他、インフラストラクチャー融資に対する引き当て率がこれまでの20%から15%に引き下げられた。しかし、銀行が同便宜を利用するには、キャッシュフローを保証する適切なメカニズムを設け、その種のキャッシュフローに対する第一次請求権を法的に明確にせねばならない。