【ワシントン】このほど米国国会に提出された報告書は、「ニューデリーが原子力損害補足補償条約(Convention on Supplementary Compensation for Nuclear Damage)の締約国にならないなら、米国企業がインドと原子力取引を行うことはあり得ない」と述べている。
ビジネス・スタンダードが4月16日、米国国会図書館議会調査局(Congressional Research Service)が発表した民生用核取引に関する報告書を引用し、報じたところによると、ニューデリーは当初、「インドが米国企業と核関連契約を結ぶ前に、両国は、インドにおける核燃料再処理施設に関する協定を結ぶ必要がある」と主張していたが、両国は3月29日、関係合意に達したと発表した。政府は後続の協定を国会に提出せねばならないが、まだそうした手続きはとられていない。国会が上下両院合同で不承認決議を行うなら、関係協定は発効しない。
インドが国際原子力機関(IAEA:International Atomic Energy Agency)と締結した原子力安全保障協定(Nuclear safeguards agreement)は2009年5月11日に発効し、インド政府はIAEAに誓約書を提出した。オバマ大統領は2010年2月3日に国会に関係書類を提出し、インドが法的に必要条件を満たしたことを説明した。
しかしニューデリーが原子力損害補足補償条約に調印しない限り、米国企業は、インドとの核取引に極めて消極的姿勢をとらざるを得ないと言う。