2010-04-16 ArtNo.43303
◆鋼材値上がりでパンジャブ州中小企業存亡の瀬戸際に
【ニューデリー】インドの鉄鋼メーカーは僅か2ヶ月足らずの間に鋼材価格をトン当たり7500ルピーから1万2000ルピーに30%以上引き上げた。パンジャブ州の産業界はこの種の値上げは同州の中小企業を存亡の瀬戸際に立たせており、連邦政府は必要な救済措置を講じるべきだと訴えている。
ビジネス・スタンダードが4月14日報じたところによると、パンジャブ州小規模事業主商工会議所(CICU:Chamber of Industrial and Commercial Undertaking)のAvtar Singh事務局長は、「鉄鋼メーカーが短期間に数度にわたり大幅な値上げを行ったことから、鋼材の買い占めや人為的供給不足が生じた。その結果、中小企業は運転資金の大きな部分を失い、輸出業者は海外からの受注契約に応じられなくなっている」と指摘した。CICUは中央政府に同州中小企業の救済措置を早急にとるよう要請したと言う。
パンジャブ州商工会議所(CCIP:Chamber of Commerce and Industry;Punjab)のP D. Sharma会頭も、中小企業は契約価格を60~70%上回るスポット価格で鋼材を購入しているため、最近の鋼材値上げは同業界に深刻な打撃を与えていると語った。
同氏によると、最近の鋼材値上げは、鉄鉱石とコークス用炭の購買契約がこれまでの年間ベースから四半期ベースに変わると言う時代を画する転換に伴うものだが、独自の鉄鉱山を保有する鉄鋼メーカーにとっては、鉄鉱石の調達コストはこれまでと変わっていない。
また鋼材価格のの上昇には、自動車、造船、建設、石油/ガス、インフラ産業の需要急増も反映されている。
インドの鉄鋼メーカーは原料や労働力等の生産要素を、他国を大きく下回るコストで手に入れることができるにも関わらず、インドの鋼材利用者は、他国に比べトン当たり100米ドル以上上回る価格で鋼材を購入している。
これは鉄鋼メーカーが、鋼材の国際価格に運賃やその他のコストを上乗せした輸入価格を基準に国内価格を設定しているためである。今日海上運賃は上昇しつつあり、こうした不合理は今後一層顕著になる見通しだ。このため中央政府は鋼材の値上がりを真剣に受け止め、適切な措置をとる必要があると言う。
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