【ニューデリー】卸売物価指数(WPI)をベースとした3月のインフレ率は9.9％と、心理的防衛ラインの二桁には達しなかったものの、今年2月の9.89％を僅かに上回り17ヶ月以来の最高を記録した。
ファイナンシャル・エクスプレス、デカン・ヘラルド、ビジネス・スタンダード、タイムズ・オブ・インディア、エコノミック・タイムズ、ヒンドゥー・ビジネス・ラインが4月15日報じたところによると、3月の製造業インフレは前月の7.4％から7.13％に鈍化したが、燃料インフレは前月の10.2％から12.71％に加速した。
3月のWPIインフレ率は、一般の予想を下回ったものの、依然として中央銀行の通年の目標値を上回っており、4月20日の金融政策の四半期見直しに際して、中央銀行が一層の引き締め策をとることは避けられない見通しだ。中央銀行は3月19日に既にレポ・レートと逆レポ・レートを25ベイシスポイント引き上げているが、市場筋は少なくともさらに25ベイシスポイントの引き上げが行われると予想している。
中央銀行は1月の金融政策見直しに際して2010年3月末までのWPIインフレの上限を6.5％から8.5％に上方修正したが、その後発表された月間WPIインフレ率は1月8.56％、2月9.89％、3月9.90％と、同上限はあっけなく突破された。
Royal Bank of Scotlandムンバイ事務所のGaurav Kapur上級エコノミストは、4月以降は比較対象の昨年同月の数字が高水準なことからインフレの上昇率は鈍化するものの、今会計年度上半期は7～7.5％を下回ることはなく、景気刺激的金融政策を通常の政策に戻す流れは変わらないとコメントした。
一方、4月3日までの1週間の食品インフレは前週の17.70％から17.22％に僅かに加速した。しかし燃料価格指数の上昇率は前週の12.71％から12.43％に、一次産品価格指数のそれは同14.50％から13.88％に、いずれも鈍化した。