SEAnews 2010-04-14 ArtNo.43290

【ムンバイ】中国の鉄鉱石取引協会は8日、鉄分含有率が60％に満たない鉄鉱石の輸入を禁止した。同措置は低品質なインド産鉄鉱石の輸出に打撃を与える見通しで、インド最大の鉄鉱石輸出業者、Sesa Goa Ltd(SGL)のボンベイ証券取引所(BSE)における株価は9日、4.49％下降、468.7ルピーで引けた。
エコノミック・タイムズとビジネス・スタンダードが4月9日伝えたところによると、中国は過去12ヶ月間にインド産鉄鉱石1億600万トンを輸入した。インド鉱業連盟(FIMI:Federation of Indian Mineral Industries)のSiddharth Rungta会頭によると、インドの鉄鉱石輸出の45％のシェアを占めるゴアは、中国の輸入禁止措置で影響を受ける。SGLのP K Mukherjee重役(MD)は、「まだ正式の通知を受けていないため、コメントは控える」と語った。SGLは年間2000万トンの鉄鉱石を生産しているが、65％以上の鉄分含有率が60％を下回る。
今回、低品質鉄鉱石の輸入禁止を決めた中国五鉱化工進出口商会(CCCMMCIE:China Chamber of Commerce of Metals, Minerals and Chemicals Importers and Exporters)は、主要貿易業者をカバーしているが、鉄鋼メーカーやその代理店は含まれない。
ICICI Securities子会社ICICI Directによると、鉄鉱石の供給を商社に依存している中国の小規模鉄鋼メーカーは原料の供給が途絶え、操業停止に追い込まれる可能性がある。中国当局が、小規模業者がひしめく鉄鋼産業の合併統合を目指している可能性がある。
SGLは主に中国の貿易商向けにその製品を輸出しており、新たなバイヤーを開拓せねばならないが、それには1～2四半期を要する。とは言え観測筋は、「SGLは困難を乗り切ることができ、懸念には及ばない」と述べている。SGLの2009年12月までの年初9ヶ月の営業額は3399.5クロー(US$7.64億)、純益は1416クロー(US$3.18億)を記録した。