【ニューデリー】Steel Authority of India Ltd (SAIL)は、韓国のPoscoと、FINEX技術を用いた製鉄所をインド国内に設ける合弁覚書を結んだ。
ヒンドゥ・ビジネス・ラインが4月10日報じたところによると、SAILはPoscoが提供するFINEX技術を用いることにより鉄鋼製造コストを引き下げることができる。SAILの研究開発部門Research and Development Centre for Iron and Steel (RDCIS)のA.S. Mathur常務理事(ED)によると、合弁計画は両社の取締役会の承認を既に得ている。SAIL側では取締役会小委員会が覚書を承認した。FINEX技術を採用することにより、容易に手に入る非コークス用粉炭と粉鉱石を用いて高品質な鋼材を製造できる。SAILはさらにこれを加工して各種特殊鋼を製造する。石炭をコークスに転換する必要がないため、コークス用炭ではなく一般炭を用いることができる。また炭坑で生産される石炭の70%を占める粉炭を燃料として使用でき、こうした点でもコストを引き下げることができる。
目下プロジェクトの事業化調査が進められており、2~3年後の稼働を目指す。合弁の形態や投資額等の詳細は現在詰められている。プラントはジャールカンド州に建設され、キャパシティーは年産500万トンになる見通しだ。
デカン・ヘラルド、ビジネス・スタンダード、エコノミック・タイムズが11日伝えたところでは、プロジェクト・コストは1万5000クロー(US$33.71億)と見積もられる。鉄鋼省のAtul Chaturvedi次官によると、SAILのS K Roongt会長が5月31日に退任する以前に正式な合弁契約を結ぶのが望ましい。さもなければ契約調印は次期会長の就任に伴う諸手続きで遅れる恐れがある。政府は、正式調印を加速するために必要な支援を提供する用意がある。
SAILは7万クロー(US$157.29億)の事業拡張計画の下、ジャールカンド州Bokaroの年産450万トンの製鉄所のキャパシティーを750万トンに拡張することを計画している。BokaroはSAIL-Posco合弁事業の理想的立地点と言える。当初1万5000クロー(US$33.71億)を投じて年産150万トンのプラントを建設すると言う。