2010-04-02 ArtNo.43257
◆大蔵省、テイクアウト・ファイナンシングの上限受け入れ
【ニューデリー】インド政府はテイクアウト・ファイナンシング(takeout financing)の構造案をほぼ完成した。テイクアウト・ファイナンシングとは、特定プロジェクトに対する短期ローンを補完するために、India Infrastructure Finance Company Ltd (IIFCL)が提供する長期性ローンで、インフラストラクチャー・プロジェクトに長期資金を供給するのが狙い。
ファイナンシャル・エクスプレスが3月31日伝えたところによると、大蔵省は、IIFCLが提供するテイクアウト・ファイナンシングの総額に2万5000クロー(US$54.25億)の上限を設けると言う計画委員会(Planning Commission)の提案を認めた。このことは如何なる時点でもIIFCLのテイクアウト・ファイナンシング残高は2万5000クローを超えることができないことを意味する。
同スキームは最初に提案されてから早くも1年を経過したが、関係各方面の意見の不一致から未だに導入に至っていない。
一般の金融機関はインフラ・プロジェクトに対して短期ローンしか提供できない。IIFCLはこのため長期契約でこの種のローンを買い取り、間接的にインフラ産業に長期資金を提供する。IIFCLが銀行の帳簿からこの種のローンを引き受けることにより、末端の借り手は合理的コストで長期資金を手に入れることができる。
IIFCLのSS Kohli会長兼MDによると、テイクアウト・ファイナンシングの草案は既に完成、政府の認可を待っている。計画委員会は、IIFCLが作成した草案に関して、新規プロジェクトのみに同スキームを適応するよう提案した。なぜなら既存プロジェクトに関しては開発業者は既にローン契約を結んでいるため、資金コストが引き下げられても、その恩恵を享受できない。
大蔵省のAshok Chawla次官によると、国内銀行の預金残高に占める5年以上の定期預金は約20%に過ぎないため、インフラストラクチャー・プロジェクトが必要とする長期資金需要に応じる能力は限られている。テイクアウト・ファイナンシング・スキームはこの基本的な負債/自己資本比率の限界を克服するのに役立つ。IIFCLがインフラ・プロジェクト融資を買い取るなら、銀行の帳簿からこの種のローンが消し去られるため、一層の融資が可能になる。
第12次五カ年計画期間(2012-2017)にはインフラ開発プロジェクトに1兆米ドルを投じる必要があるが、大蔵省筋によると、テイクアウト・ファイナンシング・スキームは同投資額の借入分に関して不足を補えるが、自己資本の不足を補うことはできないと言う。
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