【ニューデリー】通信衛星を用いたケーブル・テレビ局向けデジタル配信サービス・ヒッツ(HITS:Headend In The Sky)は、鳴り物入りで宣伝されたにも関わらず、2009年11月に閣議承認されて以来4ヶ月を経た今になっても、申請者ゼロで、情報放送省を当惑させている。
ファイナンシャル・エクスプレスが3月28日伝えたところによると、情報放送省はやむなくヒッツの各種条件に見直しを加えるとともに、インド電気通信監督局(TRAI:Telecom Regulatory Authority of India)と対策を協議しているが、ヒッツを通じて既存のアナログ・ケーブル・サービスをデジタル化する計画は当面見送られる見通しだ。
Subhash Chandra氏のEssel Groupは他社に先駆けヒッツ・サービスを開始したものの、撤退を検討している。他のケーブルTV会社も、高額なエントリー・フィー、厳しいパフォーマンス銀行保証、自己資本規則に怖じ気づき、ライセンスの申請を見合わせている。
TRAIによると、地上波方式の配信をデジタル化するコストが1万5000クロー(US$32.55億)にのぼるのに対し、ヒッツであれば当初の資本支出は1215クロー(US$2.64億)、年間の維持費は50クロー(US$1085万)で済む。加えてサービス契約者は全国どこでも高品質なデジタル放送と付加価値サービスを楽しめる。
しかし実際のところEssel Groupのヒッツ・サービスは過去数ヶ月だけで100クロー(US$2170万)の損失を被り、暫時サービスの停止を申請した。同社は高いエントリー・フィー、最適な料金制度の欠如、DTHインフラの使用制限等を、サービス停止の理由として掲げている。