【ニューデリー】インド政府が近くロシアに第3の原子力発電サイトを割り当てる可能性があり、そうなればロシアは他国に先駆けインドの原子力発電市場における足場を固めることができる。
ヒンドゥ・ビジネス・ラインが3月28日伝えたところによると、これは、『核反応炉12基以上を受注できれば、核反応炉の主要コンポーネントを製造する施設をインド国内に設ける』と言うロシア側の提案に基づくもので、ロシアは既にタミールナド州Koodankulamと西ベンガル州Haripurにロシア製VVER-1000型反応炉各6基を設置する約束を取り付けている。
インド政府筋は、「ロシアは『核反応炉12基以上を受注できるなら、地元と合弁でコンポーネントの連続生産(serial production of components)を含む核反応炉のローカル化を促進する』と約束している。主要コンポーネントの合弁製造はインドの核反応炉製造能力を補強する上で大きなプラスになる」と指摘した。
ロシア国営Atomstroyexportは、目下Koodankulamにおいて最初の2基の核反応炉の建造を進めている。同プロジェクトにはロシアの企業や組織100社余りが参加、最初の1基は今年末、2基目は2011年にそれぞれ稼働する見通しだ。
今月初に両国間で調印された民生用核開発協力ロードマップ(road map)には、Koondankulamにおける5基目と6基目の核反応炉の建設が明記されており、3基目と4基目の核反応炉建設計画の概要も記されている。この他、Haripurにおける核反応炉2基の建設と、別に4基の増設も明記されている。Koodankulamの第5/第6反応炉とHaripurの第1/第2反応炉は2012-2017年の間に建設される。
原子力局(DOA:Department of Atomic Energy)の建設地選考委員会は、新型輸入軽水炉(Light Water Reactor)の複数の建設候補地を既に承認している。これらにはHaripurとマハラシュトラ州Ratnagiri地区Jaitapurの他、オリッサ州Pati Sonapur、グジャラート州Chhayamithi Virdi、アンドラプラデシュ州Kovvadaが含まれる。この内、海岸に近いChhayamithi VirdiとKovvadaは暫定的に米国製核反応炉の建設地に指定されている。Jaitapurにはフランス企業Arevaが欧州加圧水炉(EPR:European Pressurised Water Reactor)を建設する。
ロシアのプーチン首相が最近訪印した際調印された合意文書には、この他、インドとロシア双方の地における核燃料製造施設の建設計画も含まれている。