【コルカタ】インドTV産業は2008年に2万4100クロー(US$52.30億)の売上げを実現、世界的金融危機やその他の問題で娯楽産業全体が沈滞した2009年にも、それ相応の営業額を達成した。
インディアン・エクスプレスが3月12日伝えたところによると、インド商工会議所連盟(FICCI:Federation of Indian Chambers of Commerce and Industry)が来週ムンバイで主催する会議の席上、『娯楽産業報告書』の発表を予定するKPMG IndiaのJehil Thakkar常務取締役(ED)は、このほど以上の数字を明らかにした。同氏によると、TV産業のパフォーマンスはフィルム産業に比べ遙かに良好である。TV産業は2009年には劇的成長は遂げなかったが、見苦しくない成長を実現した。とは言え広告売上げの落ち込みが、FMCG(fast moving consumer goods)部門の広告の伸びに関わらず、TV産業の業績に影響を及ぼした。TV産業の場合、受信契約収入が、不景気に対する緩衝機能を果たしている。
TV産業の2010年のトレンドに関して言えば、デジタル化が成長を左右する要因になる。またあまりに多くのプレーヤーが存在するため業界再編は避けられず、多くのチャンネルがニッチ・エリアに特化しつつある。TV、フィルム、印刷媒体を通じ、地域市場あるいは地方に大きな成長の機会が存在する。
Sun TVを含む少なからぬプレーヤーは、海外市場の開拓を試みている。海外の1ユーザー当たりの電気通信事業収入(ARPU:average revenue per user)は、インド国内のそれを遙かに上回る。例えばインドのDTH(direct-to-home)プレーヤーのARPUを5ルピー(US$0.11)とすれば、海外では1米ドル以上を稼げる。
フィルム産業にとって2009年は厳しい挑戦の年だった。同業界は自身の足場の見直しを強いられた。多くのフィルム制作会社は2007-08年のブーム時に高額の予算を組んで制作に当たったが、作品を公開したのは、不景気の最中だった。各社は浮き足立ち、業界の成長は鈍化した。フィルム産業の2008年の成長率は13.34%と、前年の17%を下回り、既に鈍化傾向を見せていた。そして2009年の成長は一桁台にとどまった。フィルム産業は制作コストに見直しを加えており、TVやDTH業界へのアクセス等、異なる配給方式の開拓にも取り組んでいると言う。