SEAnews 2010-03-16 ArtNo.43193

【ニューデリー】2010年1月の工業生産指数(IIP:index of industrial production)の伸びは好調な16.7％を記録、前年同月の僅か1％に比べ大幅に改善した。しかし前月(12月)の17.6％を下回った。
インディアン・エクスプレス、デカン・ヘラルド、ヒンドゥ・ビジネス・ライン、ビジネス・スタンダードが3月12／13日報じたところによると、IIPの80％の比重を占める製造業部門は17.9％(1%)、鉱業部門は14.6％(1.8%)、電力部門は5.6％(0.7%)と、いずれも前年同期の伸び(括弧内の数字、以下同様)を上回り、とりわけ製造業部門の好調が全体の成長を牽引した。ちなみに昨年12月のIIP成長率は当初発表の16.8％から17.6％に上方修正された。
用途に基づき分類した製造業各部門の伸び率を見ると、資本財56.2％(15.9%)、耐久消費財31.6％(2.1%)、非耐久消費財－3.1％(4%)、基本財10.7％(-0.7%)、中間財21.29％(-7.2%)と、非耐久消費財部門以外は、前年同期の伸びを大幅に上回った。
この結果、年初10ヶ月(2009/4-2010/1)のIIP成長率は9.6％に達し、2009－10通年の国内総生産(GDP)成長率が7％を超える可能性が一層高まった。Pranab Mukherjee蔵相は12日、国会において、「IIPは5ヶ月連続二桁成長を遂げ、ここ2ヶ月は連続して15％を超えていることから、IIP、取り分け製造業部門のGDP成長にする貢献が期待でき、インド経済は急速な回復軌道に乗ったものと見られる」とコメントした。
世界的景気後退の影響を受け、IIP成長率は2008年第4四半期から下降線を辿っていた。インド政府は今年通年のGDP成長率を7.2％と見通しているが、最近発表された経済報告書(Economy Survey)には7.5％と言う数字が掲げられている。
アナリストらは、工業生産の力強い成長と同時に、高水準なインフレが続いていることから、中央銀行が4月20日に第4四半期の金融政策見直し報告を行う際、金融引き締め策を打ち出すものと予想している。Housing Development Finance Corporation(HDFC)のエコノミストJyotinder Kaur氏は、レポ／逆レポ・レートおよび支払い準備率(CRR:cash reserve ratio)の25ベイシスポイント引き上げを予想した。